テキストとイメージの並列
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/03 02:50 UTC 版)
「ジョン・バルデッサリ」の記事における「テキストとイメージの並列」の解説
バルデッサリの最も知られた作品群は写真素材(映画のスチル写真など)の混合作品である。写真を元の文脈から取り出し、しばしば言葉や文章が追加され新たな形態に落とし込まれる。 Wrong (1966-1968)シリーズはアマチュア用の写真教本からスナップ写真における基本のルールについて記された作例写真(失敗例)とテキストの一文を組み合わせている。 その中の一点では彼自身がヤシの木の前に立った写真で、頭から木が生えたように見える。 California Map Project (1969)では地図上に記載された「California」の各アルファベットにそれぞれ地理的に近い場所で、各文字に似た形状の被写体を撮影している。 Cigar Smoke to Match Clouds That are the Same (By Sight - Side View) (1972-73)では、作家が煙草を吸っているイメージに「but a cigar is a good smoke」という文章を並べている。これらはルネ・マグリットの『イメージの裏切り』(1929)(en:The Treachery of Images)からの引用であり、マグリットの作品と同じく、イメージが対象物それ自体を表示する目的のみに使われている。またジークムント・フロイトの有名な言葉「Sometimes a cigar is just a ciger(葉巻はただの葉巻にすぎないこともある)」 、またはラドヤード・キップリングの「… a woman is only a woman, but a good cigar is a smoke.(女は女でしかない。しかし、よいシガーは煙である。)」の引用でもある。 Double Bill (2012)は大判インクジェットプリントによるシリーズ。この作品においてバルデッサリは二人のアーティストを選び(ジョヴァンニ・ディ・パオロとデイヴィッド・ホックニー、あるいはフェルナン・レジェとマックス・エルンスト)、一枚のキャンバス上で組み合わせ、手描きの要素を重ね合わせることにより既存の絵画に変化を加えている。その上で、「…AND MANET」「…AND DUCHAMP」のように、コラボレーションされた二人の作家のうち一人の名前だけをキャンバスの下部に記している。
※この「テキストとイメージの並列」の解説は、「ジョン・バルデッサリ」の解説の一部です。
「テキストとイメージの並列」を含む「ジョン・バルデッサリ」の記事については、「ジョン・バルデッサリ」の概要を参照ください。
- テキストとイメージの並列のページへのリンク