チベット地区における放射性廃棄物処理施設
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/24 20:12 UTC 版)
「中国の核実験」の記事における「チベット地区における放射性廃棄物処理施設」の解説
中国はチベット地域にチベット側に合意をととらず秘密裏に核廃棄物処理場や核ミサイル基地建設を進めてきていたことが近年明らかになっており(チベット亡命政府 1998, 7章)、中国側もこれらの施設の存在については現在は否定していない。 1984年には、中国は60億ドルでヨーロッパの原子炉の4千トンの放射性廃棄物をゴビ砂漠に保管している。 中国は1991年4月、チベットにおける核兵器の配備と核廃棄物により核汚染が広がっているという主張に対し「全く根拠のない話」としたが、チベットへの核廃棄物投棄を認めている。中国核国営公社(China National Nuclear Corporation)のユー・ディーリャンは「中国は、89年から93年まで、多大な費用をかけ、閉鎖された核兵器基地の環境状況の厳重管理にあたった」と述べている。 チベット人医師タシ・ドルマの報告によると、1993年の時点でリシュイ(Reshui)とガンズィ(Ganzihe)近辺で病気の発生率が異常に高く、第9学会付近で放牧していた遊牧民の子供たちのうち7人がガンで死亡した。 同1993年、中国は甘粛省西側の乾燥地帯に初の放射性廃棄物投棄センター建設をはじめ、さらに中国南部、南西部、東部に建設計画中であった。廃棄物の地層処分は現在、国際的に深層処分が主流であるが、中国政府は浅層処分で 「充分に安全」としている。高レベル放射性廃棄物(HLW)用地について、チベットは北京からも離れているため「核廃棄物を投棄するには最適」ともされる(チベット亡命政府 1998, 7章)。 1995年7月、中国政府は、海北チベット族自治州のココノール湖附近に「20平方メートルに及ぶ放射性汚染物質用のごみ捨て場」があり、「軍の核施設(第九学会)により廃棄物は出たが、安全性は30年間完全に保たれ、環境への悪影響、基地で被爆者が出たことはない」と公式に発表した。しかし、核廃棄物が当初の保管の仕方、また現在の管理の仕方、および危険性の調査について詳細は公表されていない。 1997年、中国は台湾の核専門家に対し「台湾で累積される放射性廃棄物の投棄場を提供する。6万バレルの核廃棄物を引き取る」と申し出たが、台湾は断っている。
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