チェス機械: エル・アヘドレシスタ
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「レオナルド・トーレス・ケベード」の記事における「チェス機械: エル・アヘドレシスタ」の解説
1912年、トーレスはチェスを指すオートマタを作成した。エル・アヘドレシスタ(El Ajedrecista、チェスプレイヤーの意)と名づけられた機械は、チェスの終盤のみを扱い白のキングとルークで人間側の黒のキングを詰ませようとするもので、人間側のキングの最初の位置がどこであってもチェックメイトすることができた。トーレスは2種類のチェス機械を作成した。1912年頃に作成した最初の機械と、1920年頃に息子のゴンザロと協力して作成した2番目の機械である。最初に作成された機械はアームで駒を動かすもので、1914年にパリのソルボンヌ機械研究所で公開され、また1915年9月のサイエンティフィック・アメリカンの記事 "Torres and His Remarkable Automatic Devices"(「トーレスと彼の驚くべき自動装置」)でも紹介された。2番目の機械は外観をより洗練させたもので、盤の下にある電磁石で駒を自動的に動かすことができ、またチェックメイトの際にはレコードの音声で知らせることができた。この機械はその後も保存され、例えば1951年のパリ・サイバネティックス会議での展示で息子のゴンザロはノーバート・ウィーナーらに機械の説明を行っている。 トーレスの機械より前に作成されたヴォルフガング・フォン・ケンペレンの「トルコ人」などのチェス人形が中に隠れた人の操作でプレイしていたのに対し、トーレスのものは内部の電気機械的な装置により盤面の状況を判断し駒の動きを決めることができた。そのためしばしば最初のチェスコンピュータと呼ばれ、また歴史上最初のコンピュータゲームとも呼ばれる。
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