タットワヴィジョン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/12/23 02:53 UTC 版)
「アストラル旅行」の記事における「タットワヴィジョン」の解説
黄金の夜明け団ではアストラル的幻視を得る比較的簡便な技法が実践されていた。これはインドの五元素に由来するシンボルを用いた方法で、これによって得られたヴィジョンをタットワヴィジョン(Tattwa vision)という。タットワのシンボルは、地を象徴する黄色の正方形(プリティヴィまたはプリトヴィ)、水を象徴する銀色の三日月形(アパス)、火を象徴する赤色の正三角形(テジャス)、風(大気)を象徴する青色の円(ヴァーユ)、霊を象徴する藍色の卵形(アーカーシャ)の5つである。実践者はこれらの図形を描いたカードを作成し、これをアストラル界への扉として利用する。具体的な方法は、カードを一つ選び、想像力を用いてシンボルのイメージを門の大きさに拡大し、想像裡にその向こう側に身を投じるとアストラル的幻視が展開されるというものである。同団の熟達した魔術師はさらにタロットの大アルカナやグリモワールにみられる諸霊のシジル、エノク魔術のタブレットやピラミッドといった複雑な象徴もアストラルの門として利用し、幻視実験を行った。一時期アレイスター・クロウリーと親交があったアメリカの作家 W・B・シーブルックは易経の六十四卦を用いて同様の実験を行っている。 黄金の夜明け団の理論では、個を包み込むアストラル的オーラを「感覚圏」(英: Sphere of sensation)と呼び、これを万象を映し出す鏡と捉える。黄金の夜明け団のエジンバラ支部長であったスコットランドの弁護士・小説家ブロディー・イネスは、感覚圏に映し出された万象を知覚できれば過去現在未来のすべてを知ることになると仮定し、タットワによる霊的ヴィジョンの旅は感覚圏上の映像を脳が知覚する能力によるものではないかと考察した。そして、ヴィジョンの体験が個人の感覚圏の埒内の出来事であるとしても、万物を訪れることは可能であるとした。
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