スーパーストラト時代の終わりと現在
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/06 15:39 UTC 版)
「スーパーストラト」の記事における「スーパーストラト時代の終わりと現在」の解説
1990年代の初めから中頃にかけて、グランジ、ニューメタル、オルタナティブメタルなどの音楽が支持されるようになると同時に、ヘヴィメタル、特にネオクラシカルメタルの人気が低下した。それに伴いスーパーストラトの人気も低下し、新しいスタイルにより適したギターが人気を集めることとなった。スーパーストラトを主軸としていたギターメーカーは大きな損失を被り、廃業したり、大企業に買収されたりしたケースも少なからずあった。 ギルドは1988年にソリッドボディ・ギター事業から撤退し、1995年にフェンダーに買収された。ヘイマーはカマン・ミュージックコーポレーションに買収されたのち、2007年にフェンダーに再度買収され、2008年の時点では、スーパストラトのモデルは「カリフォルニアン」(Californian)のみに絞っている。 ディーンは1990年にトロピカル・ミュージックに買収され、スーパーストラトの生産は、韓国の新しい所有者によって再開された。クレイマーは1990年に倒産し、1990年代初頭にギブソンによって買収された。また、ジャクソンやシャーベルブランドは2002年にフェンダーによって買収された。 アイバニーズは1991~1993年に大きな損失を被り、GR(「Ghostrider」)、Blazer、TC(「Talman」)、RT(「Retro」)、TR( "Traditional")およびATKベースなどのシリーズを追加して、モデルラインナップの大幅な再構築を行わなければならなかった。また、アイスマンやジブラルタルブリッジを「ヴィンテージ」をテーマとして復活させた。この再編によって、アイバニーズは「メタルギターだけのメーカー」というイメージを払拭し、より消費者にとって魅力的なメーカーを目指したことで、会社を存続させることができた。 とはいえ、スーパーストラトは、2010年代半ばにおいてもメタル・ミュージックのギタリストや速弾きを好むギタリストの間で人気があり、多くのメーカーによって生産されている。さらに、フロイドローズ・トレモロシステムや特にハムバッキング・ピックアップの搭載など、スーパーストラトにおいて典型的ないくつかの特徴は、フェンダー公式のストラトキャスターを含め、スーパーストラトではなくストラトキャスターの亜種とされることの多い22フレット・ボルトオンネックのストラトタイプのギターにも広く見られるようになった。公式のフェンダー・ストラトキャスターのうち、少なくとも1つのハムバッキング・ピックアップ(通常リア側)が搭載されたものは、「ファットストラト」(Fat Strat)と呼ばれる。2018年時点、FenderとSquierの両方を含む全シリーズにHSS配列のファットストラトがラインナップされているほか、HSH配列のものがFender PlayerシリーズとMIM Deluxeシリーズで、HH配列のものがPlayerシリーズとSquier Contemporaryシリーズで販売されている
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