ステロイド系SPRM
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/18 05:15 UTC 版)
「選択的プロゲステロン受容体修飾薬」の記事における「ステロイド系SPRM」の解説
主に抗黄体ホルモン作用と抗糖質コルチコイド作用の比を改善することに焦点を当てたミフェプリストン類似体の研究は、SPRMの発見に繋がった。プロゲステロン受容体(PR)や糖質コルチコイド受容体(GR)への結合には,D環上の17-αプロピニル基やその近傍の修飾が重要な役割を果たす。17-α領域のわずかな変化により、抗糖質コルチコイド活性が低下した抗プロゲスチンが生成される(αはステロイドの絶対的な立体配置を意味する)。17-αエチルや17-α(1'-ペンチニル)のような疎水性の17-α置換基は、ミフェプリストンよりも優れた抗黄体ホルモン活性を齎す様である。また、17α位にFやCF3などの電子吸引性の小さい置換基をパラ位に持つフェニル基を据え置くと、糖質コルチコイド受容体に対する選択性が大きく向上し、得られる化合物の効力も大きくなる事が判った。オルト位やメタ位に同じ置換基があると,選択性が低下する事も明らかになった。この領域にtert-ブチル基の様な嵩高い置換基があると、プロゲステロン性の効力が低下する。 入手可能な生物学的データおよびX線データから、C11位の4-(ジメチルアミノ)フェニル基の置換が作動薬活性と遮断薬活性の程度を決定する事が示唆されている。メチル基やビニル基の様な小さな置換基は強力なPR作動作用を齎すが、置換されたフェニル誘導体は様々な程度の遮断作用を齎す。様々な窒素複素環で置換された場合、アリール環のメタ原子とパラ原子の領域で負の電位が明確に最大となる化合物が最も作動薬的であり、この領域に電気陰性度の中心がない化合物が最も遮断薬的な活性を持つ事が示唆されている。 コアとなるステロイド構造の変更は、プロゲステロン受容体への結合様式に影響を与える。C7の酸素原子による置換が検討されており、これらのミフェプリストン様オキサステロイドはPRに高い選択性を示したが、ミフェプリストンよりも作用が弱い。
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