スカイ・ギター
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/17 06:45 UTC 版)
「ウリ・ジョン・ロート」の記事における「スカイ・ギター」の解説
スコーピオンズ時代より、ヴァイオリン等の高音が出せる楽器の音を耳にして、本人曰く「より高い音を得たいという内なる欲求」を叶えるために、フェンダー・ストラトキャスターの指板を2フレット分延長して23フレットにする改造を試みていたが、さらにもっと高い音を得られるギターとして開発されたのが「スカイ・ギター」である。 初期のスカイ・ギターは6弦であったが、その後7弦のモデルも開発。「マイティ・ウィング」と呼ばれるピックアップは独自の構造でいわゆるハムバッカーではなく、コイルが4層になった特殊なもの。そのピックアップの開発者はウリの友人であるが、それについての構造など技術的なことは明かさない方針であるらしい。このピックアップはアクティヴとしてもパッシヴとしても稼動する。アクティヴ時の稼動電圧は18ボルトである。フレット数は32フレットあり、これまでに全ポジション半音刻み、高音部のみフレットレス等試行錯誤が続いたが、最終的には27フレット以降一音刻みのフレットの並びになっている。その間出せない半音は、隣の弦によって賄う、またはチョーキングによってカバーしている。指板は基本的にメイプル指板がメインとなっており、スキャロップド指板を採用している。深めに抉られた指板と太めのフレットと相まって、軽快なタッチでのフィンガリングとヴィブラートに寄与している。スカイ・ギターは後年に製造されるに従い、様々な改良が取り入れられている。 近年、6弦モデルのスカイ・ギターに自動チューニングシステム、パワーチューン(ギブソンの「ロボットギター」にも搭載されている機械的な方式の自動的に目的のピッチを感知し、モーターを内蔵させたペグにより自動的にチューニングを行うシステムの呼称)を装着している。 スカイギターによる初めての録音が収められているアルバムは『アストラル・スカイズ〜天空よりの使者』である。 以前はスカイ・ギターの模倣品が横溢していたことに憤慨していたウリだが、近年になってスカイ・ギターの市販に向けて前向きな姿勢を示すような発言をしている。メーカーに関しては、近年スカイ・ギターに組み込まれたロボット・ギターのシステムを採用しているギブソンをほのめかしている。 2010年、ディーンから50本限定でスカイ・ギターを発売することが、NAMM SHOWにて発表された。 2017年スカイ・ギターは7弦ナイロンとのダブルネックや、ディレイ等のエフェクターを内蔵したモデルも発表されている。 尚、初期に制作された6弦スカイ・ギターの内の一本は、彼のファンであり友人でもあるフェア・ウォーニングのギタリストであるヘルゲ・エンゲルケに貸し出されていたが、後に返還されている。
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