シュペルリ版
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「大地の歌 (バレエ)」の記事における「シュペルリ版」の解説
スイスの振付家ハインツ・シュペルリは、チューリッヒ・バレエ団の芸術監督としての長いキャリアの最後、引退を前にして2011年に『大地の歌』の振付に取り組んだ。第6楽章の最後は ewig, ewig, ewig(常に、常に、常に)という言葉で終わり、ある批評家の言を借りれば「夜の別れの終わりのないエコーのように」聞こえることから、シュペルリにとって適切な選択に思われた。シュペルリは『大地の歌』を、若々しい活気に満ちた朝から疲れ果てた日没と夕暮れまでの、人生という旅の愁いに満ちた回想と捉えた。シュペルリの振付では、全6楽章のそれぞれにマーラーの音楽と漢詩から想起された主人公を立てている。 フロリアン・エティによる美術とクラウディア・バインダーによる衣装で、2011年4月2日にチューリッヒ歌劇場で初演された。初演者は「男」役のヴァエ・マーティロスヤン、「永遠」役のキャリーヌ・セネカ、「死」役のフィリペ・プルトゥガル、「離別」役のアルマン・グレゴリヤン、「少女」役のガリーナ・ミハイロヴァ、「美」役のサラ=ジェーン・ブロードベックの6人であった。シュペルリは、マクミランのように詩の意味を説明しようとはせず、代わりに詩の単語や句、雰囲気を手がかりに振付を行い、各曲に瞑想的なダンスを振り付けた。その結果、「現代のクラシック・ダンスの語法で言えば大小のアンサンブルがあってソロはほとんどないが、その結果、忘れ得ぬほど美しい一連の情景が生み出された」と評された。
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