シャドー・バンキング・システム
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「世界金融危機 (2007年-2010年)」の記事における「シャドー・バンキング・システム」の解説
世界金融危機の大きな要因となった金融ビジネスは、非銀行金融仲介機関であるシャドー・バンキング・システムであった。シャドー・バンクに含まれるのは、マネー・マーケット・ファンド(MMF)、特別目的事業体(SPV)、資産担保コマーシャルペーパー(英語版)(ABCP)、投資銀行等のレポ取引、ヘッジファンド、証券会社、証券化商品発行体、そして個人向けのファイナンス・カンパニーなどである。シャドー・バンクの資産額は危機以前の10年間に特に増加した。監督や規制を受ける銀行に属さないないために、リスクの高い取引が拡大した。シャドー・バンクの中でもMMFは、MBSの発行や証券化に関わる重要な投資家として機関投資家が資金を供給した。 BRICSを中心とした新興国の経済発展を背景に、エネルギー需要、食料需要などの資源需要が高まり、原油価格が上昇した。産油国の利益は欧米の機関投資家へ流れ、機関投資家の資金運用がアメリカに集中した。このとき、先の低金利政策と、シャドー・バンキング・システムを通じた証券化を促進する規制緩和が相まって、サブプライムローンを中心とした信用拡張が行われた。ABCP市場は6500億ドルから1兆ドル市場に成長した。
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