サルファ剤とは? わかりやすく解説

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サルファ剤 [Salfa drug(s)]

 スルフォンアミド剤ともよばれる。p-アミノベンゼンスルフォンアミド(p-H2N・C6H4・SO2NHR)とそのアミド置換体である合成化学療法剤をいう。1932年最初にG.J.P.ドマーク(ドイツ)によってアゾ色素アミノ基置換体に強い抗菌性認められてからアゾ化合物注目され細菌感染症に有効な赤色プロントジル開発され化学療法時代始まった。この薬剤生体内効力がでることから、その作用研究され結果生体内では無色スルファニルアミド還元され抗菌性現れることが証明された。それを契機として、種々のスルファニルアミド誘導体研究され、現在は優れた抗菌性をもつ多くのサルファ剤が使用されている。
サルファ剤はグラム陽性球菌(ブドウ球菌、ミクロコッカス、連鎖球菌腸球菌など)と、桿菌(ウェルシュ菌破傷風菌など)、グラム陰性球菌(髄膜炎菌淋菌)と、桿菌(大腸菌赤痢菌サルモネラなど)に対して抗菌作用がある。
サルファ剤の作用はこれらの細菌発育阻害する静菌作用であるが、その作用機序ビタミン1種である葉酸生合成阻害することが特徴である。
すなわち、細菌細胞内ではプテリジン、p-アミノ安息香酸(PABA)とグルタン酸を材料として葉酸合成されるが、サルファ剤の基本構造であるスルファニルアミド部分がp-アミノ安息香酸類似しているので、これと競合的策して細菌葉酸合成阻害する。なお、サルファ剤ではないが、p-アミノサリチル酸(PAS)も同様な作用である。一方動物細胞内では葉酸合成する仕組みがないので、動物細胞はサルファ剤による作用受けない。つまり、それぞれ作用は違うが、ペニシリンをはじめ有用な抗生物質同様に選択毒性において優れた薬剤である。
現在、スルフイソキサゾール(SIX)、スルフイソミジン(SID)、スルファメチゾール(SMZ)や持続性があるスルファメトキサゾール(SMXZ)、その他の有用なサルファ剤が使用されている。


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