サプライチェーン・マネジメントとビジネスモデル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/03 16:33 UTC 版)
「生産技術」の記事における「サプライチェーン・マネジメントとビジネスモデル」の解説
詳細は「サプライチェーン・マネジメント」を参照 1980年代から、「作るだけ」だった製造業にサービス業の顧客中心の考え方を取り入れることが行われるようになった。顧客の満足度に重点を置くようになったのである。製造業ではそれまでも製品の品質や機能において満足度を上げる努力は行われてきたが、納期やアフターケアなどのソフトの面でも顧客満足度を向上しようとする考え方である。 右図はサプライチェーン・マネジメントとビジネスモデルの関係を表したものである。製造業は、どの段階で中間在庫を持つかでビジネスモデルが決定されるという経済理論を模式化した図である。色の違うところが中間在庫のあるところで、中間在庫の位置でビジネスモデルが区別される。 左に行くほど製造プロセスの上流になり素材に近く、右の方に行くと販売や物流といった顧客に近いプロセスになる。在庫というものは素材に近くなるほど、換金性、流動性が良くなる。顧客ごとのカスタマイズも容易になる。なるべく素材に近い状態で在庫を持つのが理想だが、現実的には、在庫があまりに素材に近いと納期が長くなり、顧客の要望に応えられなくなる。どのくらい前の段階で在庫を持てるかが、その会社のビジネスモデルや競争力を決定する要素になる。従来は、在庫は販売や流通段階で持つ必要があり、そのために企業は大量生産を必要とし、顧客は大量生産された可もなく不可もない製品しか手にできない、というのが常識だった。 しかし生産技術の改良とIT革命により、中間在庫をより前段階のプロセスで持つことが可能になってきた。代表的な例がDELLである。DELLは中間在庫を部品で持ち、顧客の注文をインターネットで受け、それを短納期で組み立てるラインを作った。その結果、顧客ごとの要望に応じたパソコンを、現実的な納期と驚異的な低コストで実現した。DELLのこのビジネスモデルはBTOと呼ばれ、今ではどのパソコンメーカーも行っているが、これを最初に成功させたのがDELLである。
※この「サプライチェーン・マネジメントとビジネスモデル」の解説は、「生産技術」の解説の一部です。
「サプライチェーン・マネジメントとビジネスモデル」を含む「生産技術」の記事については、「生産技術」の概要を参照ください。
- サプライチェーン・マネジメントとビジネスモデルのページへのリンク