サギの保護
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/03 22:38 UTC 版)
蟹江、弥富の両IC付近の茂みは飛来したサギのすみかになっており、2011年(平成23年)に調査したところでは、両ICを合わせて6千羽にのぼることが明らかとなった。これは高速道路施設であるために、営巣場所がフェンスで仕切られることで外敵の心配が皆無であることが原因とされている。高速道路の施設にサギが生息するのは珍しく、東海地方でも最大の営巣場所と推測されている。インターチェンジ付近には自然の水路があり、農薬の使用が減った田があることから、蛙や小魚、昆虫が生息し、サギにとってエサには事欠かない環境であることもサギが住処として選んだ要因の一つであるとされる。 高速道路上空にサギが舞い、道路に降りてくることはドライバーにとっては甚だ迷惑であり、危険でもある。本来であればサギが営巣するインターチェンジの木は全て伐採すればそれで事足りるが、サギにしてみれば住処を追われてやっと見つけた安住の地が高速道路である。車の安全とサギの保護を両立できればそれにこしたことはないことから、サギと人が共に生きる「共生」の道を選ぶための対策を講じることになった。NEXCO中日本では、愛知県弥富野鳥園とサギ保護に関する覚書を交し、道路のフェンスをかさ上げすることでサギがフェンスより高く飛ぶことで、車との接触を防ぐための対策を講じた。また、サギの幼鳥が高速道路に這い出すことを防ぐために、フェンス下部は隙間を塞いでいる。 なお、サギは6種類確認され、準絶滅危惧種のチュウサギが含まれている。アマサギとチュウサギは渡り鳥で、春から夏にかけて遠く南国のフィリピンやインドネシアから飛来する。
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