コートールド美術研究所の『取り持ち女』とは? わかりやすく解説

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コートールド美術研究所の『取り持ち女』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/18 08:00 UTC 版)

取り持ち女 (ディルク・ファン・バビューレンの絵画)」の記事における「コートールド美術研究所の『取り持ち女』」の解説

1960年イギリス人美術史家ジェフリー・ウェッブ (en:Geoffrey Webb) が、コートールド美術研究所に『取り持ち女』の別ヴァージョン持ち込んだウェッブは、第二次世界大戦中ナチス収奪した美術品調査する立場にあった連合国側仕官だった人物である。ウェブはこのヴァージョンが、著名な贋作者でフェルメールなどの贋作多く制作したハン・ファン・メーヘレンよるものだと確信しており、コートールド美術研究所にも自身見解伝えていた。この告発対しファン・メーヘレンは、この作品は妻が古美術屋で購入した絵画だと反論している。当初からこのヴァージョン贋作だと疑われていたが、真贋を巡る議論長く続いた2009年になって科学的な検証開始され使用されている顔料には現代のものが用いられていないことが判明して、この作品はおそらく真作ではないかという調査結果出たコートールド美術研究所広報担当は、この調査結果対し驚愕している」というコメント発表したが、調査結果はこの作品が「17世紀絵画思われるということ示唆するものだった。 この調査結果受けてBBC美術品真贋鑑定するドキュメンタリーシリーズ偽物お宝か』が、この作品対すさらなる調査続行することとなった。この検証番組最初に放映されたのは2011年7月である。イギリス人画商美術史家フィリップ・モールドとジャーナリストのフィオナ・ブルースがアムステルダムへ渡り、ファン・メーヘレンが描いた贋作使用されている顔料サンプル入手した。このサンプルから、フェノールと見られる人工的な樹脂発見された。フェノール樹脂は、ファン・メーヘレンが顔料硬化促進と、描いた贋作実際新し作品であることを隠すために使用していたものである。そして、化学的分析によってコートールド美術研究所の『取り持ち女』からもフェノール樹脂発見され、この作品現代描かれ贋作だったことが証明された。ファン・メーヘレンがこの手法を用いた唯一の贋作者として知られることから、コートールド美術研究所の『取り持ち女』もやはりファン・メーヘレン作だとされている。 この作品は、おそらくフェルメール贋作として制作されたと考えられている。そして皮肉なことに17世紀工房制作されたファン・バビューレンの複製画よりも、このファン・メーヘレンの贋作のほうが金銭的価値高くなるという結果を招くことになった

※この「コートールド美術研究所の『取り持ち女』」の解説は、「取り持ち女 (ディルク・ファン・バビューレンの絵画)」の解説の一部です。
「コートールド美術研究所の『取り持ち女』」を含む「取り持ち女 (ディルク・ファン・バビューレンの絵画)」の記事については、「取り持ち女 (ディルク・ファン・バビューレンの絵画)」の概要を参照ください。

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