コアラの飼育施設
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 06:28 UTC 版)
日本では1984年に初めて輸入され、鹿児島市平川動物公園、多摩動物公園、東山動植物園で各2頭ずつ計6頭のオスの飼育が開始された。このうち鹿児島市平川動物公園では、1986年に日本では初めて飼育下繁殖に成功した。 1980年までオーストラリア以外でコアラを見ることができたのは、1915年にコアラの飼育を始めたアメリカ合衆国のサンディエゴ動物園だけであり、コアラの生息数が減少してからはオーストラリア政府は海外へ輸出することを禁止していた。1980年にオーストラリアの法律が改正され、1984年および1985年にオーストラリアのタロンガ動物園から日本の多摩動物公園、東山動植物園、平川動物公園の3園に贈られた。このときにユーカリが日本で育てられるかも調べられたほか、コアラが到着する3週間前には餌となるユーカリが輸入され、またそれと同時にコアラが一日にどのような葉が適しているのか、どのくらいの食糧なのかなど、様々な飼育方法などの情報が提供された。このとき、日本では「コアラ・ブーム」が沸き上がることとなった。オーストラリアからコアラが贈られた際、日本からはそのお返しにオオサンショウウオを贈っている[要出典]。さらに翌年1986年に埼玉県こども動物自然公園、横浜市立金沢動物園、1987年に淡路ファームパーク イングランドの丘、1989年に大阪市天王寺動物園、1991年に神戸市立王子動物園、1996年に沖縄こどもの国と増えたが、2010年に沖縄こども未来ゾーンで飼育されていたコアラが死亡し、2019年には、大阪市天王寺動物園のコアラがイギリスの動物園ロングリートサファリパークへ譲渡されたため、2020年2月現在、日本国内でコアラを飼育している動物園は7園である。しかし、近年コアラの飼育数が減少しているため、全国のコアラを飼育する動物園が協同繁殖に取り組んでいる。最も問題となるのがコアラの餌で、前述のようにコアラはユーカリなど決まった植物の中からさらに特定の種類、しかも若い木の葉ではいけないなどの嗜好があり、大量に食べるため、合理的にコアラを飼育するには餌用のユーカリを専門に栽培する農家の存在と、ユーカリを年中安定して供給できる環境が必要である。また、初来日時のコアラ・ブームが去ってコアラの動物園などへの集客力がジャイアントパンダなどに比べて大幅に落ちている。
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