ゲイとボーイズラブ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/12 15:01 UTC 版)
「やおい#やおい・BLと男性同性愛」も参照 羅川真里茂の『ニューヨーク・ニューヨーク』のように、少女漫画家による美しい絵で描かれた男性の同性愛をテーマにする作品でも、リアルなゲイの葛藤や苦悩、現実的な生活を描いたものの場合、その作品をボーイズラブややおいと呼ぶことには否定的な意見がある。 ゲイの人々もボーイズラブに対する意見は様々で、「好んで読む」人もいれば、「読んだけどおもしろくなかった」という人、「(そもそも)興味がない」人もいる。 1980年代初頭、ゲイ向け雑誌『薔薇族』で、「同性愛は、異性愛のように打算的ではない崇高な純愛だ」と考える女性が、「薔薇族のモデルはブ男ばかりで、気色が悪い」といった内容の投書を寄せ、ゲイの読者たちを激怒させるという事件があった。 やおい・BLの表現については、1990年代からゲイ側からの批判もある。1992年から4年間にわたって「生き方とセクシュアリティを考える女性のためのミニコミ誌」という触れ込みの「CHOISIR」(ショワジール)というミニコミ誌で、ゲイサイドとやおいサイドの論争が行われた。掘あきこは、ゲイ側の批判点は、やおいが「男性同性愛者を、異性愛社会に隷属させるためのステレオタイプに押し込めるゲイ差別表現」である、という主張に要約できると述べている。やおい側は「やおいは現実のゲイを描いたものではない=ファンタジーである」という反論がなされ、これに対して女性に向けられるジェンダーの問題からの逃げだ、ゲイの性愛を覗き見しているだけだと批判が行われるなど、ゲイ側・やおい側それぞれの主張が展開され、政治的で幅広い議論がされた。個々のゲイと腐女子の関係については、良好な関係の腐女子の友人・知人がいるゲイの人もいれば、初対面の腐女子にぶしつけな質問をされて不快な思いをしたという人もおり、人によってさまざまである。 日本ではBLとゲイコミックは歴史的な距離があり分かれているが、海外では歴史がない分、男性向け・女性向けという住み分けがあまりない。アメリカやヨーロッパではBLも日本より男性読者が多く、主にゲイだが、異性愛男性も少なくないようである。海外では、BLとゲイコミックが一緒に出版されることもある。
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