クリントン陣営の混乱と「失言」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 22:24 UTC 版)
「バラク・オバマ」の記事における「クリントン陣営の混乱と「失言」」の解説
これに対してヒラリー陣営は2月10日にパティ・ソリス・ドイル選対主任が「選挙戦の長期化」を理由に辞任した(実際は選対内の意見対立が原因とも言われている)ほか、ヒラリー本人が、2月23日にオハイオ州シンシナティで行われた集会で、オバマ陣営が配布した冊子の中でヒラリーが進める国民皆保険計画について「国民に強制的に保険を購入させる内容である」と記載していたことに対して「恥を知れ、バラク・オバマ」と、オバマを呼び捨てで非難した。これに対して多くのマスコミや民主党内からは「理性を失っている」との批判が沸き起こった。 なおヒラリーはこのような失点があったにもかかわらず、3月4日には大票田のテキサス州とオハイオ州で勝利をおさめたが、各種調査の結果「選挙戦において完全に劣勢に立たされた」との評価を受けることが多くなった。この様な状況を受けてヒラリーと、夫で元大統領のビル・クリントンが「クリントン大統領、オバマ副大統領」の政権構想を民主党内やマスコミに対して一方的に喧伝し始めた。これに対してオバマは「なぜより多くの支持を得ている私が副大統領にならなければいけないのか理解できない」と拒否した。 その後もオバマの優位は揺らぐことは無く、5月には特別代議員数でもヒラリーを逆転した。完全に劣勢に立たされたヒラリーは同月に「(敗北が確実視されているのに)選挙戦を継続する理由」として、かつて大統領候補指名を目指したものの、予備選最中の1968年6月に遊説先のカリフォルニア州ロサンゼルスで暗殺されたロバート・ケネディ元司法長官の例を挙げた。これは「オバマが予備選挙中に暗殺されること(そしてその結果自分に勝利が転がり込んでくること)を期待している」と受け取られ大きな批判を浴び、その後ヒラリーはケネディの遺族とオバマに対して謝罪した。 但しこの予備選挙の最中、ノーベル文学賞受賞のイギリスの女性作家ドリス・レッシングがキング牧師暗殺事件の例を引き合いに「オバマは暗殺される可能性がある」と発言するなど、アメリカ世論でも黒人候補であるオバマが暗殺の危機に晒されていると見られていた事は事実ではある。
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