クプファーの気候地域
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/14 09:26 UTC 版)
「フローンの気候区分」の記事における「クプファーの気候地域」の解説
フローンが示さなかった世界の気候帯の地図は、1954年にクプファー(E. Kupfer)の手によって初めて表現された。クプファーは夏と冬(1月と7月)の大気大循環を前提として1月と7月の恒常風(惑星風)の分布図を作成、それを重ね合わせることで気候地域区分図を描き上げた。これが図2に示した図である。 クプファーの設定した気候帯は以下の通りである。 1.寒帯気候帯(EE):■(紫色) 2.亜寒帯気候帯(WE/EW):■(青) 惑星的前線帯気候帯(WW)3.(以下の3種類からなる):■(水色)海洋性気候(S) 大陸性気候(L) SとLの間の移行気候(Ü) 4.夏湿潤東岸気候:■(濃緑色) 亜熱帯気候帯(PW)5.ある程度の冬雨:■(黄緑色) 6.弱い春雨(内陸型):■(若草色) 貿易風気候帯(PP)7.湿潤東岸:■(桃色) 8.乾燥西岸・内陸:■(黄色) 熱帯気候帯(TTとTP)9.恒常的湿潤(常緑原始林):■(赤) 10.周期的湿潤(高日季が雨季):■(橙色) クプファーは上記の10気候帯に加え、特殊の高地気候(H)を設定し、ヒマラヤ山脈とアンデス山脈が該当するとした(ただし、図2には表示していない)。 図2の中にはアフリカ大陸の気候帯8(■:黄色)と10(■:橙色)のように、気候帯の境界が複雑に入り組んだ地域がみられる。これは偏西風帯の北限および南限がその時その時の諸条件で南北に変動するため、1本の境界線が引けず「境界帯」となっているためである。 成因に着目した気候区分には、必ずしも現実の気候と一致しないという大きな欠点がある。この場合、気候帯10(■:橙色)に世界最多雨地域のインド・アッサム州と砂漠地帯のソマリアがどちらも属するという問題が発生する。各々の気候区分にはどれも利点と欠点が存在し、目的や適用地域に応じて使い分けることが必要である。
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