ガラス製温度計
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/22 22:07 UTC 版)
ガラス製温度計の感温液としては、公的な観測用としては主に純水銀が使われ、一般の用途には赤色に着色した灯油などが用いられる。後者の液の組成としては、ペンタンの異性体やその混合物、ないしトルエンが推奨されている(日本規格協会 1997, §6.c)。特殊な構造のものとしては 二重管温度計:通常の温度計の毛細管及び目盛板を、さらにガラス管に封入して保護したもの 最高温度計:毛細管に感温液の球部への逆流を防止する留点があり、最高温度到達後に温度が下がっても示度を保持するもの(構造的には水銀式体温計に同じ) 最低温度計:水平な毛細管中に感温液の収縮には引き込まれるが逆には動かない指標が置かれており、最低温度到達後に温度が上がっても指標が示度を保持するもの がある。なお、毛細管に用いられるガラス管は、気象観測に用いることができるほどの精度と経時安定性とを有するものが日本では製造できず、ドイツからの輸入に頼っている。 温度目盛りについては全漬没温度計と漬没線付温度計がある。漬没線付温度計は漬没線以下が測定対象と等温であり、線以上が室温(20℃)であることが前提であり全漬没温度計は球部から液柱先端までが測定対象と等温であることが前提である。前提と異なる測定方法をすると赤液温度計では約5℃近くの補正が必要になる場合がある。
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