ガスカー(天然ガス動車)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 02:46 UTC 版)
「日本の気動車史」の記事における「ガスカー(天然ガス動車)」の解説
他に代用燃料による気動車として天然ガスを燃料に用いた「ガスカー」がある。 これは千葉県、新潟県、山形県、秋田県など天然ガス資源に恵まれた地域で、1940年前後からガソリンカーを改造して出現したもので、ガスボンベ多数を床下搭載して改造ガソリンエンジンを駆動した。ガソリンカーに比べて20 %程度の出力低下に留まり、燃焼特性自体は良好でエンジンへの悪影響もなく、走行性能では他の代燃車よりは優れていたが、ガス代が極めて高価であること、ガス充填に時間と手間が掛かり、車載ボンベもかさばること、そして爆発の危険性など特有の問題も多かった。このため、ガス産地至近の一部国鉄路線と私鉄5社で用いられたのみで、他の地域にまで一般化はしなかった。これらの地域では後年までディーゼルカーのことをガスカーと呼ぶ者もあった。 1950年6月に、ガスカーを使用していた小湊鐵道において、ディーゼルエンジンに天然ガス混合の空気を吸気させ、圧縮行程で少量の軽油を噴射することで着火させるという、天然ガス使用ディーゼルエンジンの実車試験が行われた。燃費面では、ガソリンエンジン形の火花点火式よりも大幅な改善を実現したものの、同年中に軽油の供給量に問題がなくなると本来のディーゼルエンジンとして用いた方が遙かに経済的な状況となり、本格実用化に至らないままに終わった。
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