カンジダ血症
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 14:57 UTC 版)
悪性腫瘍、CVカテーテル留置、大手術後、好中球減少、重症熱傷、重症膵炎などの患者で、広域抗菌薬に反応しない発熱とCRP陽性、β-Dグルカン陽性などで疑われる。特にCVカテーテルで多く、播種性カンジダ症に至り、肝脾カンジダ症ではCTで多発性の低吸収域、カンジダ眼内炎では視力低下や霧視が認められる。画像診断では播種性病変が有る場合は、肺カンジダ症では胸部CTで多発性の粒状影や浸潤影を認め、カンジダ骨髄炎では胸椎や腰椎MRIで骨破壊像や主瘤性病変が認められる。確定診断は血液培養でのカンジダの証明である。治療ではカテーテル抜去、アムホテリシンB製剤、フルコナゾールやミカファンギンの投与などがされる。カンジダ眼内炎では進行すると硝子体混濁を起こし、失明に至り得るので眼底検査が必要である。真菌血症の場合には培養陰性化から最低14日間の治療が必要であり、β-Dグルカンは治療終了の指標として適切ではない。最も多く分離される菌種はCandida albicansであるが、フルコナゾール(ジフルカン)の使用により耐性度の高いCandida glabrateやCandida kruseiやCandida dubliniensisによる症例が増加している。
※この「カンジダ血症」の解説は、「抗真菌薬」の解説の一部です。
「カンジダ血症」を含む「抗真菌薬」の記事については、「抗真菌薬」の概要を参照ください。
- カンジダ血症のページへのリンク