カリフォルニア州ヨコハマ町
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/02/28 05:28 UTC 版)
「トシオ・モリ」の記事における「カリフォルニア州ヨコハマ町」の解説
収容所の解放後、モリはサンレアンドロの花卉栽培の再建に忙殺された。1947年にヒサコ・ヨシワラと結婚し、一子スティーヴンをもうけた(スティーヴンは『未完成のメッセージ』に緒言を寄せている)。1949年にはオークランドに戻り、ようやく、1932年から41年にかけて書いた短編に戦時中に書いた2編を加えた短編集『カリフォルニア州ヨコハマ町』を発表した。これはシャーウッド・アンダーソンの『ワインズバーグ・オハイオ』の影響を受けて書かれた作品であり、『ワインズバーグ・オハイオ』がオハイオ州のワインズバーグという架空の町を舞台にした22編の短編によって構成されるように、『カリフォルニア州ヨコハマ町』はカリフォルニア州のヨコハマ町という架空の町を舞台にした22編の短編によって構成される。ヨコハマ町は日系社会であり、モリの両親の出身地である広島県南西部の瀬戸内沿岸に、地元でヨコハマと呼ばれる地域があったという。序文を寄せたサローヤンは、「何千人といるアメリカの隠れた作家の中で、トシオ・モリほど英語を書くことが下手な人は、三人といないであろう」と語り、にもかかわらず、「トシオ・モリはおそらく現在アメリカにおける最も重要な作家の一人である」と評している。さらに、「物を通して真実を見、人間を通して、愚者を偉大で厳粛なヒーローに変える不可思議で喜劇的で憂鬱な真理を見ることができる」作家、「理解、同情、寛容、温情」といった心をもった作家であると称賛した。
※この「カリフォルニア州ヨコハマ町」の解説は、「トシオ・モリ」の解説の一部です。
「カリフォルニア州ヨコハマ町」を含む「トシオ・モリ」の記事については、「トシオ・モリ」の概要を参照ください。
- カリフォルニア州ヨコハマ町のページへのリンク