カップにまつわる伝統と逸話
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/04 00:40 UTC 版)
「スタンレー・カップ」の記事における「カップにまつわる伝統と逸話」の解説
スタンレー・カップの杯そのものは、話し言葉のなかでは「スタンレー卿のマグ」とか、単に「銀杯」と呼ばれることもあり、獲得チームは、その勝利後に杯からシャンパンを飲むのが伝統的なならわしとなっている。 また、その他のならわしとして、決勝戦終了後直ちに勝利チームのキャプテンがこれを受け取て頭上に高く掲げ上げ、カップは選手から選手へ手渡しされ、スケートリンク上をすべる選手に掲げられるといったことがある。このならわしは、"skating the cup" と呼ばれる。この2つ目の伝統は、2001年にコロラド・アバランチが優勝した時に、ジョー・サキックとレイ・ボークによって少しだけ破られたことがある。この2001年のファイナル第7戦で、ボークは22年のNHL生活から引退することを表明しており、彼にとってはこれが初のカップ優勝でもあった。そこで、キャプテンであるサキックはNHLコミッショナーのゲイリー・ベットマン (Gary Bettman) からカップを受け取っても、先ず最初にそれを掲げ上げることなく、ボークに行うようにカップを手渡したのである。 その他の伝統(むしろ、迷信に近い。)として今日のNHLの選手達に流布しているのは、チームが真にカップを獲得するまでは、カップには手を触れることが許されないというものである。この慣習に付け加えて、カンファレンス優勝を果した時に、その優勝トロフィ、クラレンス・キャンベル・ボウル及びプリンス・オブ・ウェールズ・トロフィー(Clarence S. Campbell Bowl及びPrince of Wales Trophy)に手を触れもせず、掲げ上げることもしないといった選手もいる。こういった選手達は、スタンレー・カップこそが唯一無二、真のチャンピオンの証であって、掲げ上げてよいのはこのカップのみであると信じている。 また、従来から非公式的には選手が私的にカップを手元に置くということは行われてきたが、1995年からは、優勝チームの各選手は、ホッケーの殿堂からの代理人の随伴のもとで、1日ずつカップを手元におくといった伝統が始まった。 今日では、スタンレー・カップはプロスポーツの優勝杯としては最もその獲得が困難なものと誉めそやされることがあるが、これはホッケーが肉体的に過酷なスポーツであること、また、その獲得までの道程が長いことによるものといえる。 なお、スタンレー卿は、1893年に本国のイギリスに帰国しなければならなかったために、寄贈したカップが試合会場に並べられるシーンも、また、自らの名前を冠したカップを優勝チームに授与することもできなかった。
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