オーストラリア三菱での改良
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/25 02:05 UTC 版)
「三菱・4G5系エンジン」の記事における「オーストラリア三菱での改良」の解説
4G5系エンジンはオーストラリア三菱(en:Mitsubishi_Motors_Australia/MMAL)にて、日本とは異なる幾つかの独自の進化を遂げている。 1981年9月、当時のクライスラー・オーストラリア(en:Chrysler Australia)の販売網で販売されていた、三菱・ギャランΛベースのクライスラー・シグマ(en:Chrysler_Sigma)に500台限定で2.0Lのターボチャージャー搭載モデルが設定された。このモデルでは当時、日本を初めとする国々で販売されていたECI仕様のG63Bではなく、既存モデルにもキャブレターエンジンの設定が存在した4G52にターボチャージャーをそのまま搭載する、所謂キャブターボの手法を用いたエンジンが導入され、当時のオーストラリア国内では最も廉価に購入出来るターボ車であるとされた。当時豪州内でも販売されていたロータス・エスプリターボ等と同じく、ターボチャージャーの吸入口前にキャブレターを配置するレイアウトで、インタークーラーは搭載されないながらも同車種の2.0NA車(64.4kW)と比較して80%近い高出力(116.0kW)を発揮した。この仕様はECIターボのスタリオン用G54BTよりも早期に登場した点が4G5系エンジン史上特筆される点である。 1985年に発売されたマグナ(TE型)ではMPIのECI-MULTIを採用したのを契機に愛称もアストロンIIに改められる。この時採用された燃焼室は圧縮比7.0のターボエンジンと同じ容積の半球型であったが、平坦なピストンヘッドを持つ高圧縮ピストンによって圧縮比が8.8まで高められ、同時に長年採用されていたMCIジェットバルブが廃止された。91年の2代目マグナ(TR型)ではMPIとキャブレター仕様が併存しており、キャブレター仕様には従来のアストロンIIが引き続き搭載されたが、MPI仕様には多球型燃焼室とディッシュエリアが設けられたピストンで圧縮比が9.2まで高められた改良型アストロンIIが新たに登場。ローラー式ロッカーアーム(タペットはラッシュアジャスター)が採用され、これが三菱における4G5系エンジンの最後の改良モデルとなった。
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