オリジナルの日記
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/19 10:12 UTC 版)
オリジナルとなる小松真一の日記は、「漂流する椰子の実」(第1巻)、「密林の彷徨」(第2巻)「虜人日記」(第3・4巻)からなる4冊の日記と5冊の画集、計9冊で構成される。 これらのノートは手製の和綴じで、表紙は梱包用クラフト紙、中はタイプ用紙、和綴じの糸はカンバスベッドのカンバスをほぐして作ったものが使われた。日記は鉛筆で書かれ、絵は鉛筆のスケッチの上にマラリアの薬であるアテブリン錠を水で溶いたもの(黄色)、マーキュロクロム液(赤)などで彩色されていた。序章で「(略)幸か不幸かレイテの仲間から唯一引き抜かれて、ルソン島に連れて来られ、誰一人知った人のいないオードネルの労働キャンプに投げ込まれた。話相手がないので、毎日の仕事から帰って日が暮れるまでの短い時間を利用して、記憶を呼び起こして書き連ねたものである。」と記したことから、小松はこの日記をオードネル収容所に移された1946年(昭和21年)4月頃以降に書き、それ以前の記録については、自身の記憶と軍隊手帳等に書かれたメモを基に日記に書いたと推測される。 そして、小松はこの日記を骨壺に隠して日本に持ち帰った。オリジナルの日記は、以後銀行の金庫に約30年間眠ることとなった。
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