オセアニア以外の大国のイデオロギー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/12 08:43 UTC 版)
「イングソック」の記事における「オセアニア以外の大国のイデオロギー」の解説
オセアニア(米州および英国、オーストラリア、南アフリカなど)以外の超大国には、ユーラシア(ヨーロッパ大陸部およびシベリア)、イースタシア(東アジア)の二つがある。これらの国々も、それぞれイングソック同様の支配的イデオロギーを信奉しており、オセアニア同様の全体主義体制を築いている。ユーラシアは自らのイデオロギーを「ネオ・ボルシェヴィズム」と呼ぶ。イースタシアのイデオロギーは中国語の単語と定義づけられており、通常は「死の崇拝」(Death-Worship)と訳されるが、より正確には「滅私」(Obliteration of the Self; 自己滅却)と呼ぶべきものとされる。 これら三つのイデオロギーは信条において区別がし難いものであるが、三大国の支配階級たちはこの事実を認識しつつ、二重思考により否定して他国のイデオロギーは邪悪であるとみなす。三大国間の類似性の否定および、相互の体制に対する中傷は、三大国が永久に戦争を続けることを可能にする。この戦争は資源や労働力確保のための戦争とは言い難く(どの国も広大な国土に豊富な資源と人口を持つ)、資源や労働力を浪費して、富の蓄積が社会構造を不安定化させ革命などへつながることを防ぐためのものである。プロレら下層階級は戦争に熱中し、その憎悪を国内に向けることはないため、上層階級である党内局員が心理的にプロレらを支配することができている。 しかしイギリスをはじめとするイギリス連邦諸国、アイルランド、アメリカ合衆国、その他南北アメリカ諸国がどのようにオセアニアへと再編されイングソックによる支配が打ち立てられたかについては、党は説明していない。ゴールドスタインの書では、イギリス連邦がアメリカ合衆国により吸収されたと書かれている。しかし、オセアニアの領土が実際はエアストリップ・ワン(かつてのグレートブリテン島)だけしかなく、ユーラシアもイースタシアも戦争状態を続けるための架空の存在である可能性もぬぐえない。
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