エー・アイ・アイとは? わかりやすく解説

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エー・アイ・アイ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/17 13:19 UTC 版)

エー・アイ・アイ株式会社
AII Inc.
種類 株式会社
略称 AII
本社所在地 日本
東京都品川区大崎1丁目11番1号
ゲートシティ大崎 ウェストタワー9階
設立 2000年4月7日
業種 サービス業
事業内容 テレビ番組制作
代表者 大塚博正(取締役社長)
資本金 47.7億円(2005年4月15日時点)
主要株主 ソニー
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エー・アイ・アイ株式会社AII Inc.)は、日本のテレビ番組制作会社。スカパー!のデータ放送チャンネルの制作請負などを行っている。

かつてはブロードバンド向けコンテンツ配信事業を主力としていたが、2007年に法人向け・個人向けの動画配信事業を相次いで他社に譲渡しており、現在はテレビ番組制作機能(旧ソニーネットワークコンテンツ)のみが残された状態となっている。

概要

2000年4月にソニー東京急行電鉄トヨタ自動車の3社が、コンテンツ・ディストリビューション・サービス(CDS)プロバイダ事業の企画のためAII(エー・アイ・アイ)企画株式会社を設立[1]。AIIは「Advanced Internet Integration」の略称である。設立当初からブロードバンド向けコンテンツとして動画配信に力を入れており、同年7月20日には日本初の試みとなる「TUBEハワイライブ」配信実証実験(約8万世帯対象)を行った。

2000年12月にAII株式会社に社名変更し、ブロードバンド向けコンテンツ配信事業を本格的に開始した[2]。当初はCATVインターネットを主な対象としたが、その後のADSLFTTHの急激な普及により、サービス対象はブロードバンド環境を持つユーザー全般となっている。2003年3月1日にソニーの100%出資子会社でデジタル放送の制作・運用を手がけるソニーネットワークコンテンツ株式会社と合併したことにより、コンテンツ配信に加え、コンテンツ配信網の構築、運営事業も手がけることとなった。

2005年4月に日本テレビの出資を受け、同年10月には毎日放送製作のアニメ『BLOOD+』を放送翌日から1週間「AII」で無料配信するなど、テレビ局と連携する動きも見せたが、2007年3月に法人向け動画配信プラットフォーム提供事業をアッカ・ネットワークス[3]、同年7月には個人向け動画配信事業「AII」をブイオーディ・システムズに譲渡し、動画配信事業から撤退した[4][5]

沿革

  • 2000年4月7日 ソニー、東急電鉄、トヨタ自動車3社の均等出資により東京都品川区北品川にAII企画設立。資本金1億5千万円、代表取締役社長は堀籠俊生(ソニー上席常務)。
  • 2000年12月27日 AII株式会社に社名変更。関西電力伊藤忠商事近畿日本鉄道、アイ・ティー・エックス、九州通信ネットワークが出資者に加わり、2001年1月中に資本金30億円へ増資。増資後のソニーの出資比率は51.0%。
  • 2001年2月 個人向け動画配信サービス「AII」開始。
  • 2001年3月25日 日本初となるサッカー日本代表戦(対フランス代表)ブロードバンドインターネット配信を実施。
  • 2001年4月26日 東急電鉄の保有株式の一部を小田急電鉄東武鉄道東急ケーブルテレビジョン東急エージェンシーに譲渡。
  • 2001年10月20日 アスキーと共同制作した映画「シンクロニシティーフェアリーテイル」を配信。ネット配信と劇場公開の組み合わせという、新しい形のメディアコラボレーションを提案した[6]
  • 2001年12月14日 「声優Wave」の独占配信を開始。
  • 2001年12月21日 プレイステーション2をプラットフォームとしたブロードバンドネットワークサービスの提供に関する提携でソニー・コンピュータエンタテインメントと基本合意[7]
  • 2001年12月 日本最大級のインターネットラジオ放送局「ラジ@(ラジアット)」をアスキーより買収。2002年1月より運営を引き継ぐ。
  • 2002年9月1日 TBSテレビフジテレビテレビ朝日の3社合同によるテレビ番組のブロードバンド配信サービス「トレソーラ」の配信を受託。
  • 2003年3月1日 AIIを存続会社とする株式交換方式により、ソニーネットワークコンテンツと合併。合併後の商号はエー・アイ・アイ株式会社。資本金34.9億円、本社所在地は東京都品川区大崎、代表取締役社長は大塚博正(ソニー執行役員)。合併後のソニーの出資比率は63.1%。
  • 2004年3月29日 15億円の第三者割当増資を実施。電通やベンチャーキャピタル等金融投資家が出資。増資後資本金42.5億円。
  • 2005年4月15日 4.1億円の第三者割当増資を実施。日本テレビ、ソニーほかが出資。増資後資本金47.7億円。増資後の議決権比率(普通株式、上位5社)は、ソニー60.9%、東急電鉄9.9%、関西電力6.6%、日本テレビ5.3%、伊藤忠商事5.3%。
  • 2005年4月15日 産業活力再生特別措置法に基づく事業再構築計画を総務省が認定[8]
  • 2005年10月1日 月額会員制サービス「Screenplus(スクリーンプラス)」開始。
  • 2005年12月1日 オープンインターネットでは初となる、ハリウッドメジャー(ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント)作品の配信を「Screenplus」にて開始。
  • 2007年3月1日 法人向け動画配信プラットフォーム提供事業をアッカ・ネットワークスに譲渡[3]
  • 2007年5月1日 ブイオーディ・システムズと個人向け動画配信サービス「AII」の共同運営を開始[5]
  • 2007年7月1日 「AII」をブイオーディ・システムズに譲渡[4]
  • 2007年9月14日 総務省が事業再構築計画認定を取り消し[9]

AII

AIIは、エー・アイ・アイが運営していた個人向け動画配信サービス。韓流ブームの際に韓国ドラマポータル「ドラマ韓」が大ヒットし、知名度アップと会員数の大幅な増加をもたらした。ID登録は無料だが、コンテンツはほとんどが有料だった。Windows Media Playerを使用するため、OSはMicrosoft Windows限定となっている。

2007年5月に株式会社ブイオーディ・システムズとの共同運営が開始され、同年7月にはブイオーディ・システムズに事業譲渡された。さらに2008年2月1日には、ブイオーディ・システムズから同社の100%子会社である株式会社ビーナに運営が移管された[10][11]

サービス名称は事業譲渡後も「AII」が使われていたが、2008年11月1日に「Viena(ビーナ)」に変更された[11]

ラジ@ (ラジアット)

アスキーが2000年9月12日に開設し、同年10月3日より本放送が開始されたインターネットラジオ放送局。毎週火曜日に通常のラジオ放送同様に番組表に沿って配信され、水曜日以降はバックナンバーをオンデマンド方式で聴取した[12]

2001年2月より配信日が週5日(月 - 金曜日)に拡充され、同年10月には月間ストリーム数約10万という日本最大級のインターネットラジオ放送局へ成長した[6]。また、『Yahoo! Internet Guide』主催(2002年2月号掲載)の「Web of the Year 2001」では、メディア部門18位に選出され[13]、インターネット放送局としては唯一のランクインとなった。

エー・アイ・アイは2000年10月の本放送開始時よりCATVインターネット向けに番組配信を行なっており、2001年12月にアスキーよりラジ@を買収。一時サービスを休止していたが、2002年2月11日より再開した。2003年10月の改編でライブ放送が廃止され、全番組が毎週火曜日更新となった。

2004年9月8日にサービスが終了。『神谷明リターンズ!』のみAIIに移動し番組継続となった。

声優Wave

声優のトーク番組に特化した有料配信サイト。2001年12月から2006年6月までサービスが行われた。

Screenplus

2005年10月1日にスタートした会員制有料動画配信サービス。AIIの上位サービスという位置付けで、「会員無料コンテンツ」と、よりプレミアム性の高い「有料コンテンツ」によって構成された。

2006年6月30日をもってサービス終了。Screenplus終了後、一部のコンテンツはAIIで視聴できるようになった。

脚注

  1. ^ ソニー、東京急行電鉄、トヨタ 「AII企画株式会社」(仮称)を設立』(プレスリリース)ソニー株式会社、2000年3月9日http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press_Archive/200003/00-0309/ 
  2. ^ ブロードバンド・インターネット向けコンテンツ配信事業を本格展開』(プレスリリース)ソニー株式会社、2000年12月26日http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press_Archive/200012/00-1226/ 
  3. ^ a b 事業の一部譲受けに関するお知らせ』(PDF)(プレスリリース)株式会社アッカ・ネットワークス、2007年1月23日http://www.eaccess.net/acca/release/070123.pdf 
  4. ^ a b 動画配信事業(サービス名:AII)の運営会社の変更のお知らせ』(PDF)(プレスリリース)エー・アイ・アイ株式会社、2007年6月26日。オリジナルの2007年7月9日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20070709102645/http://www.aii.co.jp/corporate/070626_publish.pdf 
  5. ^ a b エー・アイ・アイ、動画配信事業から撤退。AIIを共同運営企業に譲渡 Impress BB Watch、2007年6月27日。
  6. ^ a b e-Day:アスキーが懲りずに映画? ブロードバンドと劇場で公開へ ITmedia エンタープライズ、2001年10月18日。
  7. ^ エー・アイ・アイとソニー・コンピュータエンタテインメント ブロードバンドネットワークサービスに関する提携に基本合意』(PDF)(プレスリリース)株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント、2001年12月21日http://www.scei.co.jp/corporate/release/pdf/011221b.pdf 
  8. ^ 総務省、産業活力再生特別措置法によるAIIの事業再構築計画を認定 Impress BB Watch、2005年4月15日。
  9. ^ 総務省、エー・アイ・アイの事業再構築計画認定を取り消し Impress BB Watch、2007年9月14日。
  10. ^ 事業移管に関するお知らせ』(PDF)(プレスリリース)株式会社ブイオーディ・システムズ、2008年1月20日http://www.aii.co.jp/corporate-vods/20080120.pdf 
  11. ^ a b ビーナ、映像配信サービス「AII」を「Viena」へリニューアル Impress BB Watch、2008年11月6日。
  12. ^ アスキー、インターネットラジオ放送局“ラジ@”を開局 ASCII.jp、2000年09月13日。
  13. ^ "Yahoo!InternetGuide: 特集1 - 2001年の日本のベストサイトはこれだ! ITmedia、2002年1月22日。

参考文献

外部リンク


エーアイアイ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/14 07:44 UTC 版)

ドラえもんのひみつ道具 (2005年のテレビアニメ)」の記事における「エーアイアイ」の解説

エーアイアイは「なんでもエーアイアイ」(2020年1月11日放送)に登場する高性能AI搭載されサルロボットなんでもやってくれるようになるが、最初一から教えてあげる必要がある学習が進むと集めた情報を基に自分考え予測をたててなんでもやってくれるようになる作中では、ドラえもん面倒くさがり屋のび太この道具を貸した際、のび太根気よく色々教えた事であらゆる災難予測して対応するようになったが、のび太考えず怠けるようになってしまい、ドラえもんは「このままだと自分一人考えて行動出来ない大人になってしまう」と諭した

※この「エーアイアイ」の解説は、「ドラえもんのひみつ道具 (2005年のテレビアニメ)」の解説の一部です。
「エーアイアイ」を含む「ドラえもんのひみつ道具 (2005年のテレビアニメ)」の記事については、「ドラえもんのひみつ道具 (2005年のテレビアニメ)」の概要を参照ください。

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