エペリゾン塩酸塩とは? わかりやすく解説

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塩酸エペリゾン

分子式ClH C17H25NO
その他の名称ミオナール、塩酸エペリゾン、E-0646、エペリソン塩酸塩、エペリゾン塩酸塩、Eperisone hydrochloride、EMPP、塩酸エペリソン、Myonal、アキトナール、Akitonal、アチネス、Atines、エペソ、Epeso、エペナルド、Epenard、エペリッサー、Eperisser、エペリナール、Eperinal、エペルEpel、エボントン、Evonton、エンボイ、Envoy、サンバゾン、Sunbazon、トルミナール、Tolmynal、ホマライト、Homerlight、ミオナベース、Myonabase、ミオペリゾン、Myoperison、ミオリラーク、Myorelark、リンプラール、Rinpral
体系名:[4'-エチル-α-メチル-β-ピペリジノプロピオフェノン]・塩酸塩エペリゾン塩酸


エペリゾン

(エペリゾン塩酸塩 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/19 06:22 UTC 版)

エペリゾン
IUPAC命名法による物質名
臨床データ
Drugs.com 国別販売名(英語)
International Drug Names
法的規制
  • not licensed
データベースID
CAS番号
56839-43-1 
ATCコード M03BX09 (WHO)
PubChem CID: 3236
DrugBank DB08992 
ChemSpider 3123 
UNII 2M2P0551D3 
KEGG D01671  
ChEBI CHEBI:77069 
ChEMBL CHEMBL1902981 
化学的データ
化学式
C17H25NO
分子量 259.387 g/mol
テンプレートを表示
ミオナール錠50mg
エペリゾン(日医工)50mg

エペリゾン(Eperisone) は、鎮痙剤英語版の一つである。反射性の筋肉を緊張させている神経を沈静化する作用があり、筋肉の凝りを ほぐし、筋肉の強張りや痛みを和らげる。血管平滑筋英語版を弛緩させて血流を良くしたり、軽い鎮静催眠作用もあるため、脳血管障害、外傷後遺症等にも用いられることがある。

塩酸塩が製剤化されており、バングラデシュ、中国、インド、インドネシア、日本、アラブ首長国連邦マレーシアフィリピンタイミオナール(Myonal)の名称で市販されている。日本での販売元はエーザイ。なお複数の会社から後発品が発売されている。

同様の薬の中では、効き目が穏やかな方であり、副作用も比較的少なく、多くの診療科で広く使われている。

エペリゾンの鎮静作用は他の鎮痙剤に比べて弱く、覚醒度英語版を低下させない抗痙攣治療を必要とする患者に有用な選択肢となる。エペリゾンは筋力を低下させる事なく、上下肢の自発的な動きを容易にするので、リハビリテーションの初期段階やその後のリハビリ療法中の支持薬として有用である[要出典]

効能・効果

エペリゾンは中枢神経系と血管平滑筋の双方に作用し、骨格筋疼痛緩和、虚血改善、緊張英語版軽減によって筋緊張症の悪循環を断ち切り、筋肉の凝りと痙直を解きほぐし、動きを滑らかにする[1][2]

脳血管障害、痙性脊髄麻痺、頸部脊椎症英語版[5]、術後後遺症(脳・脊髄腫瘍を含む)[6]外傷後遺症(脊髄損傷、頭部外傷)[6]筋萎縮性側索硬化症脳性小児麻痺脊髄小脳変性症、脊髄血管障害、スモン(SMON)、その他の脳脊髄疾患

禁忌

エペリゾンは製剤成分に過敏症のある患者に用いてはならない[7]

慎重投与

  • 肝障害のある患者では、肝機能が悪化することがあるので慎重に用いるべきである[2]

副作用

添付文書に記載されている重大な副作用は、ショックアナフィラキシー様症状[8]中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis : TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson 症候群)である(頻度不明)。

0.1〜5%未満に、

  • 発疹
  • 眠気、不眠、頭痛、四肢の痺れ、脱力感、ふらつき、全身倦怠感、熱感、
  • 悪心・嘔吐、食欲不振、胃部不快感、腹痛、下痢、便秘、口渇、

が見られる[2]

過量投与

エペリゾンの過量投与(体重9kgに対して100mg)で痙攣が生じたとの報告がある[9]

妊産婦・授乳婦

エペリゾンの妊婦への投与については安全性が確認されていないので、日本の添付文書では“治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与”すべきとされている。ラットで乳汁中へ移行することが報告されているので、授乳婦が服用することは望ましくなく、服用期間中は授乳を避けなければならない。

用法

小児での用法・用量は確立されていない(使用経験が少ない)[2]。高齢者が服用する場合は減量を考慮したほうが良い[2]

作用機序

エペリゾンは下記の様な多彩な作用点を有する[10]:12-17

関連項目

出典

  1. ^ Yang SI, Park HY, Lee SH (July 2004). “Transdermal eperisone elicits more potent and longer-lasting muscle relaxation than oral eperisone”. Pharmacology 71 (3): 150–6. doi:10.1159/000077449. PMID 15161997. 
  2. ^ a b c d e ミオナール錠50mg/ミオナール顆粒10% 添付文書” (2012年6月). 2016年6月27日閲覧。
  3. ^ P. Cabitza, P. Randelli., Efficacy and safety of eperisone in patients with low back pain: a double blind randomized study. Eur Rev Med Pharmacol Sci 2008; 12 (4): 229-235
  4. ^ http://www.curehunter.com/public/keywordSummaryC030848--4--ethyl-2-methyl-3-piperidino-propiophenone.do
  5. ^ Bose K (1999). “The efficacy and safety of eperisone in patients with cervical spondylosis: Results of a randomized, double-blind, placebo-controlled trial”. Methods Find Exp Clin Pharmacol 21 (3): 209–13. doi:10.1358/mf.1999.21.3.534831. PMID 10389124. http://journals.prous.com/journals/servlet/xmlxsl/pk_journals.xml_summary_pr?p_JournalId=6&p_RefId=534831&p_IsPs=N. 
  6. ^ a b http://squarepharma.com.bd/SPL_PI_PDF/myonil226.pdf
  7. ^ 臨床試験番号 NCT00327730 研究名 "Evaluation of Eperisone HCl in the Treatment of Acute Musculoskeletal Spasm Associated With Low Back Pain" - ClinicalTrials.gov
  8. ^ 上野孝, 川名誠司 (2007-07). “びまん性紅斑と血管浮腫を呈した塩酸エペリゾン(ミオナール)による薬疹の1例”. アレルギー 56 (7): 709–13. PMID 17671415. http://jja.jsaweb.jp/2007/056070709j.html. 
  9. ^ Tanno K, Narimatsu E, Takeyama Y, Asai Y (May 2007). “Infantile case of seizure induced by intoxication after accidental consumption of eperisone hydrochloride, an antispastic agent”. Am J Emerg Med 25 (4): 481–2. doi:10.1016/j.ajem.2006.09.002. PMID 17499672. http://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S0735675706003615. 
  10. ^ ミオナール錠50mg/ミオナール顆粒10% インタビューフォーム” (PDF) (2012年6月). 2016年5月26日閲覧。

参考文献




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