ムスカリン受容体拮抗薬
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/13 15:21 UTC 版)
ムスカリン受容体拮抗薬(muscarinic receptor antagonist)または抗ムスカリン薬(anti-muscarinic agent)は、ムスカリン性アセチルコリン受容体(ムスカリン受容体)の活性を阻害する抗コリン薬の一種である。ムスカリン受容体は、副交感神経系の節後線維などでの信号伝達に関与するGタンパク質共役受容体であり、ムスカリン受容体拮抗薬は、この伝達が起こらないように作用する。注目すべきは、ムスカリン受容体拮抗薬が副交感神経系の活性化を抑えることであり、ムスカリン受容体拮抗薬は副交感神経遮断薬とも呼ばれる。副交感神経系の正常な機能は、しばしば「休息と消化」として要約され、心臓の動きを遅くし、消化速度を上げ、気道を狭め、排尿を促し、性的興奮をもたらす。ムスカリン受容体拮抗薬は、この副交感神経の「休息と消化」の反応に対抗し、中枢神経系と末梢神経系の別の場所でも作用する。
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- 1 ムスカリン受容体拮抗薬とは
- 2 ムスカリン受容体拮抗薬の概要
- 3 歴史
- 4 禁忌
ムスカリン受容体拮抗薬
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/08 09:44 UTC 版)
「アセチルコリン受容体」の記事における「ムスカリン受容体拮抗薬」の解説
アセチルコリンがムスカリン受容体を刺激することを阻害する。ムスカリン受容体拮抗薬(M1ブロッカー、Muscarinic antagonist)。 アトロピン トロピカミド オキシブチニン プロピベリン トルテロジン ソリフェナシン イミダフェナシン
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ムスカリン受容体拮抗薬(抗コリン薬)
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「制吐薬」の記事における「ムスカリン受容体拮抗薬(抗コリン薬)」の解説
薬理:前庭神経核への前庭入力と、おそらくは嘔吐中枢においてムスカリン受容体の反応をブロックすることで、悪心・嘔吐を抑制する。なかでも、M3とM5の各サブタイプに対応するムスカリン受容体が大きく影響している。
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