エオール
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/10 09:20 UTC 版)
電気工学分野での活動の後、アデールは重航空機による飛行という問題に転向した。そして死ぬまで、多くの時間と金銭をこの問題に費やした。鳥の飛行を研究したルイ・ピエール・ムイヤール(Louis Pierre Mouillard, 1834 - 1837)の知見を基に、アデールは1886年に彼としては最初の飛行機械、エオール号(Éole)を製作した。エオールはコウモリのような格好をした単葉機で、4気筒・20馬力の蒸気機関で四枚羽のプロペラを駆動した。機関はアデール自身の発明品で、出力1馬力あたりに対する重量は7ポンド(1ワットあたり4グラム)という極めて軽量なものであった。主翼は翼幅14ヤードで、変形するシステムを備えていた。総重量は650ポンド(300kg)であった。1890年10月9日、アデールはエオールで飛行を試み、約20cmの高度で約50メートルの距離を飛んだ。これはライト兄弟のライト・フライヤー号に先立つこと13年、史上初の、補助なしの動力離陸であった(先行の実験家モジャイスキー、デュ・タンプルは斜面やジャンプ台を利用)が、偶発的なもので、操縦も不能であった。 なお Éole(エオール)は風神アイオロスのフランス語形。
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