ウスタシャの暴力における役割
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/21 10:17 UTC 版)
「カトリック聖職者のウスタシャへの関与」の記事における「ウスタシャの暴力における役割」の解説
コラード・ゾーリ(イタリア人)やイーヴリン・ウォー(英国人)の著書で証言されている通り、多くのカトリック聖職者が直接的に、或いは間接的にウスタシャの暴力行為に関与していた事は広く知られている。最も悪名高い具体例は免職処分を受けたフランシスコ会のミロスラヴ・フィリポヴィッチ(Miroslav Filipović)であり、ヤセノヴァツ強制収容所を運営していたことから「ヤセノヴァツの悪魔」として知られ、そこで4万9600人から60万人が殺害されたと概算されている。イヴァン・シャリッチ(Ivan Šarić)はウスタシャを支持したカトリックの司祭の中で「最悪」の人物だと信じられている。彼の教区の新聞は「愛する事には限度がある。ユダヤ人から世界を解放する運動は人間の尊厳を更新する運動である。全知全能の神はこの運動の側に立っている」と書いた。シャリッチ司教は同様にユダヤ人の財産を奪い取って私物として使っていた。 何人かのカトリック司祭は、カトリック・アクション(Catholic Action)の内のクロアチア・カトリック運動(Croatian Catholic movement)の指導者だったイヴァン・グベリナを含めて、パヴェリッチの個人的なボディガードとして勤務した。もう一人、ボジダス・ブラロはサラエヴォの治安警察署長で、多くの反ユダヤ的な行動を主導した。ウスタシャの政党力とボスニア・ヘルツェゴビナでの政党活動の大半を強固にする為に、ユレ・フランツェティッチ(Jure Francetić)(この地域のウスタシャの行政長官) がカトリックの司祭の手中に収められた。 一人のカトリック司祭マテ・ムゴスは「聖職者は祈りの書を片付けて回転式拳銃を手に取らなければならない」と書いた。もう一人、ディオニジイェ・ユリチェヴ(Dionizije Juričev)はノヴィ・リスト(Novi list)の中で「七歳の子供を殺す事は罪ではない」と書いた。フェイヤーは「ホロコーストに先立つクロアチアでの虐殺の事実を確定する事は、ポーランドでの場合とは異なりカトリック教徒は被害者ではなく加害者であるので、大きな歴史学的意義がある」と論じる。
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