イージーオープンエンドの発明
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/01 02:44 UTC 版)
「イージーオープンエンド」の記事における「イージーオープンエンドの発明」の解説
従来からの缶詰においては缶切りを用いて開封するか、缶ジュースなどでは専用の穴開け器(オープナー)によって、飲み口(注ぎ口)と空気穴の2箇所の穴を開けて開封していた。1959年にアメリカのエーマル=フレイズ(英語版)が缶切り不用のEOE方式を発明し、1963年にその特許をアルコア社に売り、Pittsburgh Brewing Companyに採用するように働きかけた。発明のきっかけは、ピクニックに缶ビールを持参したが、オープナーを持っていくのを忘れたためと伝えられる。1965年には日本にも技術が導入された。 現在のような方式になる以前には、異なる方式も開発され、用いられていた。そのひとつがジューストップ(Juice Top)と呼ばれるもので、缶の開口部に別体の金属部分を取り付けたものである。その部品にスコアが切ってあり、タブを引くとスコアが切れて開口部となるというものであった(現在のオロナミンCの開栓方式に似ている)。別体の金属を蓋として取り付ける方法は、現在でも一部の調理済食品の缶詰などで用いられている。 もうひとつジップトップ (Zip Top) という方式があったが、これはプルタブ式と同様に缶の蓋となる金属板そのものにスコアを切り、タブをリベットで取り付けたものである。しかし、これはタブが充分なリングとなっておらず、注ぎ口に対して斜めに取り付けられていた。タブを外してできる開口部は、ヒョウタンやベル(欧米での鐘)に似た、真ん中がくびれた形状であった。1965年には缶飲料全体の4分の1を占めるまでに採用されていたが、プルタブ式に切り替わっていった。ジップトップは開封に力が必要であり、タブがとれやすいなどの欠点があったからである。なお、このジップトップが Ermal Cleon Fraze が発明した世界初のイージーオープンエンド(EOE)であり、採用したのは缶ビールであった。 これらは時期が早かったこともあり日本にはほとんど紹介されなかった。1965年に日本に技術導入されたのはジップトップを改良したプルタブ式である。
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