イニングの途中で交代した投手の失点・自責点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 10:11 UTC 版)
「自責点」の記事における「イニングの途中で交代した投手の失点・自責点」の解説
イニング途中に投手が走者を残した状態で交代し、救援投手が安打を打たれるなどして走者が得点した場合、原則として残した走者の数までは前任投手の失点となる。その失点が上記の考え方によって自責点でないと判断されなければ、その失点は自責点として記録される。 ただし、前任投手が残した走者が盗塁刺、牽制死、守備妨害など、打者の打撃によらないでアウトになった場合、および打者の打撃によるものでも余塁を奪おうとしてアウトになった場合は、そのアウトの数だけ「残した走者の数」が差し引かれる。 また、イニングの途中で投手が交代した場合は、交代後の投手については、失策や捕逸によるアウトの機会の恩恵を受けることはできない。即ち、例えば2失策でイニングの第3アウトの機会を得ていても実際のアウトが1であれば、アウトの機会を1として扱う(交代前の投手やチーム全体のアウトの機会については変更なし)。よって、走者の得点を許したときに、投手に自責点が記録されたがチームには自責点が記録されないという例が発生することがあるため、個人の自責点を合計したものがチームの自責点と一致するとは限らない。こうした場合、チームとしての自責点に、個人自責点の合計値をカッコつきで付記する。 【例6】 投手Pは四球で走者(Aとする)を出し、救援投手Qに交代。打者Bは安打したが、一塁走者Aが三塁を欲張り送球によりアウト。この間にBは二塁に進塁。打者Cが安打してBが生還。この例では投手Pは一人の走者を残して降板し、かつその走者は打者の打撃の結果としてアウトになったが、それは余塁を奪おうとしてアウトになったものであるから、Pの責任となる走者は居ないことになり、失点1はQに記録される。この失点は自責点であるから、自責点1も併せてQに記録される。 【例7】 投手Pがイニングの先頭打者Aに四球を与えてQに交代し、Qも次打者Bに四球で走者一・二塁。投手がさらにQからRに交代。次の打者Cは三塁ゴロでAのみがフォースアウト。次の打者Dも三塁ゴロでBのみがフォースアウト。次打者Eが本塁打して3得点。この例では、得点した全走者(C、D、E)が投手Rのときに出塁しているが、失点は投手Pに1(Cの得点)、Qに1(Dの得点)、Rに1(Eの得点)が記録される。これらはいずれも自責点である。 【例8】 上記【例2】で、最初の二死満塁になったところで投手を交代し、交代後の投手が本塁打を打たれたとすると、先に投げていた投手には自責点が記録されない(失点は3)が、交代後の投手には自責点1(失点は1)が記録される。ただしチームとしては失策の時点で第3アウトをとる機会があったとみなし、チーム自責点は0(失点は4)と記録される。
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