イトウの大水槽
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/10 04:15 UTC 版)
イトウは1978年の開館時から飼育されている。リニューアル後は、大きなイトウ40匹ほど(2013年2月現在)が展示される長径7m、短径5.5m、深さ1.9mの大型楕円水槽があり、魚が傷つかぬように突起物をなるべく排除している。中にいるイトウは各地の水族館にみられる養殖されたイトウではなく、川から捕ってきた天然物である。イトウは体長が1m級になるのに約15年かかり、大きくなったイトウは顔がいびつに崩れる。しかしこの水族館では顔が美しく均一が取れている。そのため、魚体の大きさや健康でも、天然産の頭数でも、日本有数の水槽となり、水族館プロデューサーの中村は「最も巨大できれいなイトウを見ることができる」と評する。 水族館では1メートル超のイトウを20頭以上(全40頭ほど)飼育するが、この規模は日本最大と考えられている。STV(札幌テレビ)は、これだけの数の1メートル級のイトウを育てている水族館は日本でここだけと紹介する。 この水槽はイトウの展示水槽としては日本最大で、50トンの地下水で満たされている。この地の地下水は透明度が高いため、その分水槽を大きくできて、濾過装置は要らないので建設費の削減も行えた。水槽の背景に沈められたイトウの隠れ家となる巨木は、コスト削減のため擬木ではなく地元の林業会社による本物の白樺の根である。提供時に生木だったため半年ほど池に浸けて樹液を落とし、大きすぎるため水族館の屋根を取り付ける前に納入した。また「職員が自ら底に敷き詰める石を探して、自ら敷き詰めた」という水槽は、この水槽のことでもあると中村は紹介する。職員が運び込んだ館内の石は総量で4トンに達し、工費の削減となった。 この水槽は地下水をそのままかけ流す方式のため、水が冷たい時期はイトウの動きが鈍くなったり、雪解け時期は水が濁り、透明度が低くなったりする。また、水族館職員によると、春になるとイトウは体が赤くなり、産卵が見られる可能性もあると紹介する。
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