イスラームの伝承におけるホスロー2世
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「ホスロー2世」の記事における「イスラームの伝承におけるホスロー2世」の解説
イスラームの伝承が伝える物語では、ホスロー2世(キスラー、アラビア語: كسرى:Kisra)は預言者ムハンマドが手紙を携えた使者としてAbdullah ibn Hudhafah as-Sahmiを送ったペルシアの王である。その手紙でムハンマドはホスロー2世にイスラームに帰依するように求めている。ムスリムの伝承ではその内容は次のようなものである。 慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において。アッラーの使徒ムハンマドより、ペルシアの偉大なる首領(指導者)キスラーへ。真理を求め、アッラーとその使徒を信じ、アッラーの他に神は無く、アッラーに共同者はなく、ムハンマドがアッラーの僕であり預言者であると信じると証言した者の上に平安あれ。アッラーの命の下、私はアッラーの下にあなたを招く。アッラーは全ての人々を導くために私を遣わされた。私はアッラーの全ての怒りを警告し、不信仰者たちに最後通牒を示すであろう。あなたが(今の人生と次の人生において)安全であるためにイスラームを受け止めよ。もしイスラームを受け入れることを拒否するならば、あなたはマギの罪の咎を負うであろう。 イスラームの伝承は更に次のように記述している。ホスロー2世はムハンマドの手紙を破り捨て、「我が臣下の中の哀れな奴隷が敢えて彼の名前を我が名の前に書いている。」と述べ、彼の臣下でイエメンの統治者であるバドハン(英語版)に二人の屈強な男を派遣してこの人物(ムハンマド)を特定し、捕らえてヒジャーズからホスロー2世の下へ送るよう命じた。Abdullah ibn Hudhafah as-Sahmiがホスロー2世が手紙をズタズタに破り捨てたことをムハンマドに話した時、ムハンマドはホスロー2世の破滅を約束し、「どうなろうと、アッラーは彼の王国を破壊するであろう。」と述べた。彼の言葉は間もなくペルシア軍がウマル・イブン・ハッターブの手で敗北させられたことで現実のものとなった。
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