イギリス・アイルランドの英語事情
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 15:10 UTC 版)
「英語」の記事における「イギリス・アイルランドの英語事情」の解説
詳細は「イギリス英語」を参照 イギリス、とくに英語発祥の地であるイングランドには、多数の英語方言がある。特に社会階層による方言の分化が著しく、社会の上層で使用される「容認発音(received pronunciation/RP, BBC English, Queen's English など様々な呼称がある)」や下層で使用されるコックニーといった社会方言が存在する。容認発音は話者こそ少ないものの、伝統的に訛りのない標準発音とされており、BBC英語とも呼ばれるように公的な場面や放送などで主に用いられてきた。しかし1980年代以降、容認発音に代わりロンドン付近の社会中層が主に用いてきた「河口域英語 (Estuary English)」の使用が増えつつある。なお、これ以外に地域方言もイングランド各地に存在する。 イングランド以外のブリテン諸島は本来ケルト諸語圏であり、古くはスコットランド・ゲール語やアイルランド・ゲール語、ウェールズ語といったケルト語系の言語が使用されていた。しかしイングランドからの影響によって英語の使用が広まり、スコットランドでは中英語から分離した英語系のスコットランド語が早くも14世紀末には一般的に使用されるようになった。1707年にスコットランドとイングランドが合同すると影響はさらに強まり、スコットランド語に代わって完全に英語の一方言であるスコットランド英語が主に使用されるようになった。この傾向は他地域でも同様であり、ウェールズでも19世紀後半にはウェールズ英語の使用が主流となり、アイルランドでもこの時期にアイルランド英語使用が一般的となった。アイルランドが独立するとアイルランド・ゲール語は英語とともに公用語に指定されたものの、ゲール語の母語話者は減少を続けており、同国国民の9割以上はアイルランド英語を母語とするようになっている。
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