アレフ・ワン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/01 09:12 UTC 版)
「最小の非可算順序数」も参照 ℵ1 はすべての可算順序数からなる集合の濃度で、ω1 あるいは(ときに)Ω と呼ばれる。この ω1 はそれ自身順序数でありすべての可算順序数より大きく、したがって不可算集合である。それゆえ、ℵ1 は ℵ0 とは異なる。ℵ1 の定義は、(選択公理のない ZF、ツェルメロ・フレンケル集合論において) ℵ0 と ℵ1 の間に基数は存在しないことを意味している。選択公理 (AC) を使えば、さらに次のことが証明できる。基数のクラスは全順序でありしたがって ℵ1 は 2 番目に小さい無限基数である。AC を使って集合 ω1 の最も有用な性質の 1 つを証明できる。ω1 の任意の可算部分集合は ω1 において上界をもつ。(このことは AC の最もよくある応用の 1 つである可算集合の可算和は可算であるという事実から従う。この事実は ℵ0 における状況に類似である。すなわち、自然数からなるすべての有限集合は再び自然数である最大元を持ち、有限集合の有限和は有限である。 ω1 は多少エキゾチックに聞こえるかもしれないが実は有用な概念である。応用例は可算の操作に関して「閉じるようにする」ことである。例えば、部分集合の任意の集まりによって生成されるσ-代数を明示的に記述しようとすること(例えばボレル階層(英語版)を見よ)。これは代数(ベクトル空間や群など)における「生成」のたいていの明示的な記述よりも難しい。なぜならばこれらのケースにおいて有限の操作 - 和、積、などに関して閉じているだけでよいからだ。各可算順序数に対して、超限帰納法を経由して、ありとあらゆる可算和と補集合を「投げ込んで」集合を定義し、ω1 のすべてに渡ってすべてのそれの和集合をとる、ということをその操作(σ-代数の生成)は含む。
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