アルカーイダへの濡れ衣とイラク攻撃
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/25 15:04 UTC 版)
「アメリカ炭疽菌事件」の記事における「アルカーイダへの濡れ衣とイラク攻撃」の解説
攻撃の直後、ホワイトハウスは繰り返し「アルカーイダによるアメリカ同時多発テロの第二波攻撃である」との証明をするために、FBI長官であるロバート・ミュラーに対し圧力をかけており、アメリカ合衆国大統領立会いの朝の緊急情報会議で、ミュラーはこの使用された炭疽菌がウサーマ・ビン=ラーディン側近らにより製造された物であるとの証拠を出せなかったせいで扱き下ろされた。 退職した元FBI上級捜査官の一人は「彼らは実際に中東の誰かのせいにしたかった」と証言している。FBIは捜査初期段階でこの炭疽菌は高度な知識と設備が必要な環境下でしか培養できない物であり、テロリストが篭っているであろう洞窟などの環境下では到底生産できる物では無いと理解していた。 同時期に大統領であるジョージ・W・ブッシュと副大統領のディック・チェイニーはアルカーイダとの関係性に関しての推測を行っていた事が公式声明から判明している。また、イギリスのガーディアン紙は10月前半にアメリカ人の科学者が炭疽菌の原因としてイラクを巻き込んでいると報じ、この翌日にはウォールストリートジャーナル紙が社説で「この炭疽菌はイラクで生産された菌をアルカーイダが郵送したものである」と報じた。この数日後にはデイヴィッド・レターマン・ショーに出演したジョン・マケインがこの炭疽菌がイラクからもたらされた物である可能性を示唆し、更にその翌週にはABCニュースが炭疽菌に幾つかのイラク土壌の鉱物を含んでいたと報じている。 このABCの報道に対しホワイトハウス報道官が直ちにコメントし、この攻撃に使用された炭疽菌からは鉱物は一切発見されておらず、その可能性にすら言及していないと発表した。
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