アリバイに関して
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 09:33 UTC 版)
久間のアリバイを直接に裏付ける証拠はなく、間接的ものとして久間自身と妻の供述が、捜査段階と公判段階で変遷しており、証拠として成立しないこと。当日のアリバイについて、久間は、捜査段階で、妻を職場に送って一度帰宅した後に実母宅に向かったと述べていたが、捜査官の再現によって女児が行方不明になった時間に久間が現場を通過する結果になったところ、公判段階で、妻を送った後まっすぐ実母方に向かったと供述を変更した。また、事件当日の行動を思い出した時期ときっかけも、捜査段階では、3月20日に「刑事が帰った後で、あの日は何をしていたのかなあと思って思い出した。妻とは事件の話をしていないので、妻と話し合っているうちに思い出したということはない」と供述していたが、公判段階では、2月25日ごろに妻が事件当日のことではないかと挙げた話を聞いて思い出した、と供述を変更した。そのため、「アリバイに関する供述は(中略)信用できない」と判示された。また、久間の妻の供述も、久間が実母方に行った日について、捜査段階では「事件当日の前後ごろだったと思う」と曖昧な記憶であったのに、公判段階では事件当日であると特定するようになっており、「たやすく信用できない」と判示された。 など、主として6つ情況事実群を総合評価して、久間が犯人であることについては合理的な疑いを超えて認定することができると結論づけた。 ほか、弁護人は、犯人は情性欠如型の性格異常者と想定されるのに対して久間は本件のような犯罪を犯すはずがないと主張し、久間の性格鑑定を申請したため、裁判所が大学の精神医学教室に鑑定を依頼したところ、鑑定結果では、久間は「情性欠如型の性格異常者と判断され、(中略)犯罪を犯す本来的な傾向を十分もっている」と結論付けられた。しかし、このように久間に不利な結果が示されたが、裁判所は「鑑定の結論は採用することができない」と判示し、証拠として採用しなかった。
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