アリバイと目撃証言
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 16:20 UTC 版)
「弘前大教授夫人殺し事件」の記事における「アリバイと目撃証言」の解説
市警は第一に那須のアリバイを追及した。弁護士への接見も一切許されず、殴る蹴る、トイレに行かせないといった拷問もあったという。しかし那須が主張する事件当夜のアリバイは激しく転変し、そのいずれもが捜査によって打ち崩された。また、家族も那須の確たるアリバイを挙げることができず、近親者である彼らの証言能力自体も疑問視された。9月11日には那須は「事件当夜は自宅にいて、近隣住民が氷を削っている音を聞いた」と主張したが、市警の調べに対してその住民は那須の主張を否定した。 8月31日には、唯一の犯行目撃者であるSの母に対する那須の単独面通し(目撃者に比較対照させない形式の面通し)が青森地検によって行われた。 私が見た犯人とそっくりであります。右側から見た横顔の輪郭も全然同一であり頭髪が少しもつれて前に出ている格好も全く同じであり又後から見た後姿も全く同じで胴の細さ等全く真犯人と思われます。〔中略〕私は余りに今日見せて貰った男と私が見た男と酷似しているのでこの男に娘があのようなひどい目に会ったかと思い遂気分が悪くなった位であります。 — Sの母の検面調書(8月31日付)より 事件直後の警察に対する調書では「犯人の顔は殆ど見ていなかった」と証言していたにもかかわらず(上記参照)、Sの母は那須が犯人であると断言した。その後も、Sの母の証言は日を置くごとに詳細さを増していった。
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