アメリカ・インディアンの酋長とは? わかりやすく解説

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アメリカ・インディアンの酋長

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/07 07:47 UTC 版)

酋長」の記事における「アメリカ・インディアンの酋長」の解説

インディアン場合の「酋長」は、「チーフChief)」の訳語として用いられている。 文字持たない合議制社会であるインディアン社会では、気前がよく、また弁舌長けた者が周囲から認められ初め酋長となった個人誰か任命されたり、他者押しのけて就任したりするようなものではない。その役割は、あくまで「調停者」、「世話役」、あるいはむしろ「奉仕者であって、「司令官」や「指導者」、「首長」というような権力者ではなく他者従属させるとか命令するとかいった権限持っていない。インディアンにおける「酋長」を、アフリカ部族社会における酋長のような、「合議制対立する独任制長官」である「首長」と訳するのは誤りである。「部族代表する長」でもないから、「部族長」という表現正しくないクリストファー・コロンブスが、バハマ諸島上陸した際に、初め出会ったインディアン達のなかの「チーフ」を、「指導者」と思い込んだこの誤解は、その直後コロンブス自身によるインディアンへの大虐殺の中で、酋長への残酷な拷問拉致繋がったコロンブスは「酋長」を制すれば部族民は屈服する考えたのである。 しかし、白人考えるような「全部族民を統率する大酋長」というような絶対権力者存在は、そもそも過去にも現在にもインディアン社会持っていない。ハリウッド西部劇映画登場するような「全部族民を統率する大酋長Grand Chief)」であるとか、「戦士たち率い戦争酋長War Chief)」などといったものは、実際に存在しない。これはすべて白人アフリカ部族や、自分たちの政治体制を基にインディアン文化解釈しようとして生まれた誤解である。しかしこの誤解が、白人インディアンとの軋轢を生み、「インディアン戦争」を激化させた。白人酋長盟約すればすべての部族民や戦士たち盲従する考えたのである。しかしこれは上述たように白人単なる思い込みである。戦士たち頭ごなしにした白人態度は、インディアン戦士たちをただ怒らせるけだったアメリカインディアンスー族権利運動家であり、俳優でもあるラッセル・ミーンズRussell Means)は、自身が「酋長」役で出演したハリウッド映画ラスト・オブ・モヒカン』(1992年)についてのインタビューで、強権的インディアン酋長と、これに服従する部族民の描写について、「まるでハリウッド映画ステレオタイプな“アフリカ”だ」とその不自然さ笑っている。

※この「アメリカ・インディアンの酋長」の解説は、「酋長」の解説の一部です。
「アメリカ・インディアンの酋長」を含む「酋長」の記事については、「酋長」の概要を参照ください。

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