アメノオシヒとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > アメノオシヒの意味・解説 

アメノオシヒ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/10/14 06:23 UTC 版)

天忍日命

神祇 天津神
全名 天忍日命
別名 天押日命、神狭日命
神格 武神
天石門別安国玉主命または高皇産霊尊
天押人命
神社 住吉大伴神社伴林氏神社
関連氏族 大伴連丸子連佐伯連日奉連
テンプレートを表示

アメノオシヒ(アマノオシヒ)は、記紀等に伝わる日本神話

古事記』・『日本書紀』では「天忍日命(あめのおしひのみこと)」、他文献では「天押日命」や「神狭日命」とも表記される。

大伴氏(大伴連/大伴宿禰)の祖神で、天孫降臨の際にニニギ(瓊瓊杵尊/邇邇芸命)に随伴したと伝わる。

系譜

アメノオシヒの系譜について、『古事記』・『日本書紀』に記載はない。

古語拾遺』や『先代旧事本紀』「神代本紀」では、高皇産霊尊の子とする。なお「神代本紀」では、別名に「神狭日命」の名称を挙げる。

また『新撰姓氏録』では、高皇産霊尊の五世孫または六世孫とする(後述)。大伴連の系図では、高皇産霊尊の四世孫・天石門別安国玉主命が父としている。

記録

古事記』の天孫降臨ニニギの降臨)の場面では、天忍日命・天津久米命久米直の祖)の2人が、背に強固な靫を負い、腰に頭椎の大刀を佩き、手に天のはじ弓を持ち、 天の真鹿児矢をたばさんで、天孫の先導をしたとする[1]

日本書紀』神代下第九段 一書第四の天孫降臨の場面では、天忍日命は天槵津大来目(来目部遠祖)を率いて、天磐靫を背負い、稜威の高鞆を腕に着け、天梔弓・天羽羽矢を手に取り、八目鳴鏑を添え持ち、また頭槌剣を帯びて、天孫の先払いをしたとする[2]

同様の伝承は『古語拾遺』、『先代旧事本紀』「天神本紀」、『新撰姓氏録』左京神別 天神 大伴宿禰条にも見える。

後裔氏族

アメノオシヒについて、『古事記』・『日本書紀』とも大伴連(大伴氏)の祖とする。

また『先代旧事本紀』「神代本紀」・「天神本紀」においても大伴連の祖とし、『古語拾遺』では大伴宿禰の祖とする。

『新撰姓氏録』では、次の氏族が後裔として記載されている。

  • 左京神別 天神 大伴宿禰 - 高皇産霊尊五世孫の天押日命の後。続けて天孫降臨の際の天押日命の伝承を載せる。
  • 右京神別 天神 大伴大田宿禰 - 高魂命六世孫の天押日命の後。
  • 右京神別 天神 佐伯日奉造 - 天押日命十一世孫の談連(大伴談)の後。
  • 大和国神別 天神 高志連 - 天押日命十一世孫の大伴室屋大連公の後。
  • 河内国神別 天神 家内連 - 高魂命五世孫の天忍日命の後。
  • 河内国神別 天神 佐伯首 - 天押日命十一世孫の大伴室屋大連公の後。

大伴氏のカバネは初め「」であったが、天武天皇13年(684年)の八色の姓制定時に「宿禰」を賜っており[3]、カバネの記載が異なるのはこのことによる。

考証

「オシヒ」の名称については、「大し(おし)霊(ひ)」の意とする説や[1]、「オホシヒ」と見て勇壮な意とする説が挙げられている[4]

大伴氏は歴史的に天皇・宮門の警護や地方平定などに携わった氏族であり、天忍日命の上記説話のほか道臣命大伴武日大伴室屋らの説話は、そうした大伴氏の職掌の起源を説明するのが目的とされる[3]

また『古事記』の伝承では天忍日命・天津久米命が同格で先導を行うが、『日本書紀』・『古語拾遺』の伝承では同格でなく大来目を従えるという異同が存在する[2][5]。これについて、大伴氏が来目部(久米部)を従えるようになったのち、それが神話に反映されたとする説がある[2][5]

信仰

現在、アメノオシヒは次の神社などで祭神に祀られている。

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ a b 『新編日本古典文学全集 1 古事記』小学館、2004年(ジャパンナレッジ版)、p. 117。
  2. ^ a b c 『新編日本古典文学全集 2 日本書紀 (1)』小学館、2002年(ジャパンナレッジ版)、pp. 144-145。
  3. ^ a b 大伴氏(古代氏族) & 2010年.
  4. ^ 天忍日命(神道大辞典) & 1941年.
  5. ^ a b 天忍日命(国史).
  6. ^ 宇治山田市役所 編『宇治山田市史 下巻』宇治山田市役所、1929年、948ページ。

参考文献

関連項目




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「アメノオシヒ」の関連用語

アメノオシヒのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



アメノオシヒのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのアメノオシヒ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS