アポ・ニッコール前期型
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「ニコン産業用・特殊用レンズの一覧」の記事における「アポ・ニッコール前期型」の解説
テッサー型3群4枚。1940年3月21日設計完了していたニッコール38cmF8を基本として1946年4月に製造に着手した38cmF9が最初の製品。その後従来のd線、g線、c線の3色色消しを写真湿板の有効感光域である380-440nmまで拡げる必要があり、東京大学の小穴純教授の指導を受けてクルツフリントガラスを1枚使用した45cmF9が1953年に完成、さらに10月15日出図した60cmF9以降はクルツフリントガラス2枚を使用するようになった。特殊形状絞りやシートフィルターを差し込むためのウォーターハウス絞り用スロットを備えているものもある。前期型のアポ・ニッコールのほとんどは、絞り環が通常のバレル・レンズと同様の形状をしている。 下記製品のうち焦点距離がcm表記の製品は、製造時期によりmm表記のものが存在する。 アポ・ニッコール12cmF9(1961年5月6日出図) アポ・ニッコール15cmF9(1960年9月24日出図) - φ53mmP=0.75ねじマウント。アタッチメントはφ47mmP=0.5ねじ込み。ウォーターハウス絞りスロットあり。12枚多角形絞り。 アポ・ニッコール18cmF9(1962年6月21日出図) - イメージサークルφ250mm。 アポ・ニッコール21cmF9(1959年7月18日出図) アポ・ニッコール24cmF9 - イメージサークルφ350mm。 アポ・ニッコール30cmF9(1949年11月28日出図)- φ53mmP=0.75ねじマウント。アタッチメントはφ47mmP=0.5ねじ込み。ウォーターハウス絞りスロットあり。12枚真円絞り。最小絞りF90。寸法もねじマウントもカール・ツァイス・イエナのアポ・テッサー30cmF9と全く同様である。 アポ・ニッコール38cmF9(1946年4月製造着手) - 1940年3月21日に設計完了したニッコール38cmF8を改良したもので、アポ・ニッコールと名のつけられた最初の製品となった。 アポ・ニッコール-Q.C.45cmF9(1948年3月19日出図) - φ71mmP=1.0ねじマウント。アタッチメントはφ67mmP=0.75ねじ込み。レンズキャップは金属製専用ねじ込み被せ式。ウォーターハウス絞りスロットあり。前側の化粧リングを外すと後側と同じサイズのネジが切られており、容易に逆マウントが可能。最小絞りF90。前期型アポ・ニッコールの中でも初期の製品であるこのレンズは真円絞りで中期以降の多角形絞りとは形状が異なる。 アポ・ニッコール450mmF9 - φ71mmP=1.0ねじマウント。アタッチメントはφ67mmP=0.75ねじ込み。 アポ・ニッコール60cmF9(1948年4月28日出図) アポ・ニッコール75cmF9(1957年4月23日出図) アポ・ニッコール90cmF9(1953年10月12日出図) アポ・ニッコール120cmF9(1961年5月6日出図) アポ・ニッコール180cmF9(1962年6月21日出図)
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