アベック拉致の目的
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/18 03:13 UTC 版)
「アベック失踪事件」の記事における「アベック拉致の目的」の解説
西岡力は、1997年の著作で、「李恩恵(リ・ウネ)」こと田口八重子が失踪したのが1978年6月のことであり、その直後、北朝鮮が立て続けにカップル3組を拉致しているのは、「日本人化教育」という目的があったのではないかと推定している。大韓航空機爆破事件の実行犯だった金賢姫が、日本から拉致された田口八重子から「日本人化」の一対一指導を受けていること、爆破事件の際、金賢姫が金勝一と男女でコンビを組まされていることを踏まえての推定である。北朝鮮が曽我ひとみおよびアベック拉致の被害者6人(計7人)の「入国経緯」として説明したのが「語学養成(のための拉致)」であった。 金賢姫は金淑姫とともに1980年に召喚され、本人の意思とは関係なく金正日政治軍事大学で工作員教育および日本人化教育を受けることとなったが、そこで教官が「初めての試みなので、教材もまともに準備できなかった」と語ったことを証言している。これは、北朝鮮の日本人化教育のコースが1980年にスタートし、金賢姫らはその一期生だったことを物語る。一期生は男性あわせると合計8名であった。田口八重子の金賢姫に対するマンツーマン指導は1981年7月からの20カ月であり、もし、20カ月付きっ切りで8名に一対一の指導をおこなうとすると、計算上、16人の日本人が必要となる。田口八重子、横田めぐみ、市川修一が工作員養成機関である金正日政治軍事大学で目撃されていることを考慮すると、1977年から78年に拉致された日本人は、この「日本人化教育」が目的であった蓋然性がきわめて高いことを西岡は指摘している。
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