アダプトゲンに共通する構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/05/22 05:24 UTC 版)
「アダプトゲン」の記事における「アダプトゲンに共通する構造」の解説
植物体内の、どの化学的構造がアダプトゲンの効果のある有効成分であるかを判断するのは難しい。アダプトゲン研究者の Panossian、植物学者でハーバリストである Robyn Klein によると、アダプトゲンは次のような構造を含むことが多い: テルペノイド (メバロン酸経路) トリテルペノイドサポニン: ダマラン トリテルペニンサポニン, cucurbitacins 植物ステロール: beta-sitosterol 植物エクジソン: 20-ecdysone, turkesterone フェニルプロパン (シキミ酸経路) フラボノイド: クルコピラノサイド, prenylated flavonoids, flavan glycosides リグナン: シサンドリン, セサミン, syringaresinol オキシリピン (acetate pathway) ヒドロキシル化脂肪酸: octadecadienoic acid トリテルペノイドサポニンは、アダプトゲン構成要素のもっとも多くの研究の注目の的である。高麗人参のジンセノサイド、アマチャヅルのジペノサイド、エゾウコギのエレウテロサイドは、サポニンに含まれる。たとえば、ジンセノサイドの脂肪親和性は、細胞内のステロイドホルモン受容体に結合するのに有利である。トリテルペノイドサポニンは、植物ステロールやエクジソンも含み、それらはほ乳類にはアダプトゲンとしての働きがあると考えられている。植物ステロールは、フィトセラピーよりも食品科学において研究されてきたが、それは免疫機能を持つと知られている。植物エクジステロイドはそのタンパク同化作用のため運動選手や重量挙げ選手によく用いられている。ルージァ・カルタモイデスはこれらの化合物を含むことで有名である。オキシリピンは、酸化された脂肪酸であり、ロイコトリエンと形が似ているため、プロスタグランジン様作用を示す。例えば、甘草やヨーロッパカンゾウのヒドロキシル化脂肪酸などがそうである。 上記の構成要素に加え、多くのアダプトゲンは免疫システムの構成要素を活性化し、免疫による効果を充実させると報告されている多糖類を含む。多糖類を多く含む植物は、漢方などで伝統的に使用されてきた。免疫系の活性化に加えて、活力を増進させる、滋養強壮剤とされていた。多糖類を含むアダプトゲンには、American ginseng, Asian ginseng, astragalus, cordyceps, eleuthero, licorice, lycium, prince seng, reishi, rhaponticum, and shatavariなどがある。
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