アクセントのある韻文
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 04:47 UTC 版)
「アレクサンドラン」の記事における「アクセントのある韻文」の解説
(英語詩など)アクセントのある韻文でのアレクサンドル格は、弱強六歩格(弱強六歩格とはイアンボス(弱強格)を6回繰り返した韻律のこと)の詩行のことで、その間(6音節目と7音節目の間)にカエスーラを挟むのが普通であるが、ジョン・ミルトンは『闘士サムソン』(en:Samson Agonistes)の抒情詩調の箇所でカエスーラの位置を意味深く変化に富ませたことを、ロバート・ブリッジス(en:Robert Bridges)は指摘している。 エドマンド・スペンサーの『妖精の女王』の中では、五歩格が8行続いた後にアレクサンドル格が1行続き、その六歩行は通常の五歩行のリズムに減速される。これはスペンサー詩体と呼ばれている。スペンサー以後では、マイケル・ドレイトン(en:Michael Drayton)が『Poly-Olbion』の中でアレクサンドル格の二行連を使っている。 アレキサンダー・ポープは弱強五歩格から成る2つの押韻した二行連の後にアレクサンドル格を1行続けることで、詩の流れを遅くするか速くすることができるアレクサンドル格の潜在性を見事に特徴づけた。 A needless alexandrine ends the song that like a wounded snake, drags its slow length along. の2、3行後に、 Not so, when swift Camilla scours the Plain, Flies o'er th'unbending corn and skims along the Main. と続く。 変化をつけるために、主に五歩格の韻文の後にアレクサンドル格を挿入することも時にある。たとえば、前述したスペンサー詩体がそうである。シェイクスピアのブランクヴァースではアレクサンドル格はたまにしか現れない。王政復古(en:English Restoration)時代と18世紀には、二行連で書かれた詩は、アレクサンドル格を3行目とする三行連を挿入することで変化を持たせた。ジョン・ドライデンの次の詩はその一例である。 But satire needs not those, and wit will shine Through the harsh cadence of a rugged line: A noble error, and but seldom made, When poets are by too much force betrayed. Thy generous fruits, though gathered ere their prime, Still showed a quickness; and maturing time But mellows what we write to the dull sweets of rhyme.
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