ふたつの円束の直交性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/04/18 01:49 UTC 版)
「アポロニウスの円束」の記事における「ふたつの円束の直交性」の解説
円に関する反転(英語版)は平面上で定義された変換として、(一般化された)円をべつの円に写し、したがって円束をほかの円束に写すが、このとき束の種類は保たれる(楕円型円束の反転像はやはり楕円型であり、双曲型円束の反転像は双曲型、同様に抛物型の反転像は抛物型の円束を与える)。 アポロニウスのふたつの円束が垂直に交わる(直角を成す)ことは、円に関する反転を用いれば比較的見易い: アポロニウス円束を、点 C を中心とする円に関して反転すると、点 D の反転像を中心とする同心円束に写る。それと同時に、共軛アポロニウス円束は D の反転像を基点とする直線束に写る。 したがって、この反転変換によって、Apollonian circles の定める双極座標系(英語版)は極座標系に写ることになる。変換後のふたつの束が直交することは明らかであり、また反転は等角写像—すなわち変換の前後で角度を保つ変換—であるから、もとのふたつの円束も互いに直角に交わることがわかる。 あるいは別の方法として、ふたつの円束の直交性を根軸(英語版)の定義性質—一つの束 P の根軸上の任意の点 X から P に属する任意の円への接線の長さは全て等しい—から知ることもできる。X を中心としそれら接線の長さに等しい半径を持つ円は、P に属するすべての円と垂直に交わることが、この定義性質から従う。根軸上の点すべてで同じことを行えば P に直交する円からなる円束が得られる。 より一般に、任意の円束に対して、それに属するすべての円と直交する円全てからなる円束が一意に存在する—そのような二つの円束は互いに共軛であるという 。与えられた円束が楕円型ならばその共軛円束は双曲型であり、逆もまた然り—この場合においてそれら二つの円束は Apollonian circles を成す。抛物型円束の共軛円束はまた抛物型である—この共軛円束は、その共通接点はもとの円束のそれと一致するが、共通接線はもとの円束のそれと共通接点において直交する。
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