ちょんがれと説経祭文
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/26 10:08 UTC 版)
詳細は「ちょんがれ」を参照 ちょんがれは、祭文とりわけ歌祭文に起源が求められ、錫杖や鈴などを鳴らして拍子をとり、半分踊りながら卑俗な文句を早口で歌う大道芸・門付芸で、江戸後期の大坂を発祥とする。上述のとおり、祭文は現在のニュースのようにタイムリーな話題、とりわけ恋愛や心中といった話題を聴衆におもしろく聴かせたが、その読み口のテンポを速め、クドキ調で歌ったものが「ちょんがれ」「ちょぼくれ」「あほだら経」であった。ちょんがれは、のちの浮かれ節や浪曲(浪花節)につながる芸能であり、浪曲は、説経節と祭文の双方から強い影響を受けた語りものとして幕末期に大成された。 ちょんがれが日本の歌謡史において果たしたもう一つの役割としては、説経祭文を民衆のうたいやすいクドキ形式に変化させたことが挙げられる。クドキは民衆による物語歌謡(エピックソング)を可能にし、近畿地方の「江州音頭」や「河内音頭」、関東地方の「八木節」「小念仏」(飴屋節)「万作節」、東北地方の「安珍念仏」「津軽じょんから節」などクドキの民謡を多数生んだ。その意味で、ちょんがれは従来専門家によってになわれていた説経祭文を民謡へと変えていく大きな媒介となり、民衆自身が歌う歌謡を創出する役割をになったのである。
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