その他のロシア象徴主義文学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/03 08:15 UTC 版)
「ロシア象徴主義」の記事における「その他のロシア象徴主義文学」の解説
フョードル・ソログープは、世紀末の文学や哲学に特徴的な陰気で悲観的な要素を、ロシアの散文に取り入れた最初の作家である。最も有名な小説『小悪魔』(1902年)は、ロシアで「ポシュロスチ(пошлость ; ラテン文字転写でposhlost')」として知られる(邪悪さと凡俗さの中間の、野卑な人間像を指す)概念を活き活きと描き出そうとする試みであった。次なる大作『創造される伝説』(1914年)は、「血の涙」「女王オルトルーダ」「煙と灰」の三部からなる長編小説であり、同じような多くの登場人物が出てくるが、なかなか楽天的で希望に満ちた世界観を示している。 ヴァレリー・ブリューソフの小説『熾天使』(炎の天使)もまた名高い。この小説は、16世紀のドイツを舞台に、秘術の実践への参加や不浄な力との交わりによって清廉高潔な精神を酷く蝕まれた乙女と、その娘の情欲に打ち勝とうとする学者の物語である(題名の熾天使とは、乙女が性的な妄想の際に見る霊的存在であると共に、堕天する前のルシファーの地位を指している)。この小説はセルゲイ・プロコフィエフの歌劇《炎の天使》の原作に使われた。 主に散文のみを書いた唯一の象徴主義の作家がアレクセイ・レーミゾフである。中世ルーシの文学を引用しつつ、レーミゾフは作品中で、夢と現実と純然たる気紛れをグロテスクに結び付けている。
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