『0'00”』
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/01 02:23 UTC 版)
ケージは『4分33秒』の続編にあたる作品も発表した。ケージが1962年に初めて来日した際に、同行していた一柳慧とオノ・ヨーコ夫妻のために『0'00”(4分33秒第2番)』を作曲した。この曲の楽譜には「最大限の増幅(フィードバックなしで)ができる状況で、よく鍛錬された行為を行うこと」という1行のみが書かれていた。初演は1962年10月24日に草月ホールでケージ自身によって行われ、ケージが紙に書く音が増幅されてノイズとして響いた。『4分33秒』が人間の聴覚にもとづいて作曲されたのに対し、『0'00”』は電子機器によって聴覚を拡張している。 初演後にケージは、この作品に4つの条件を加えた。(1) 演奏者は行為の中断を許可すること。(2) 行為は他人への義務を果たす内容であること。(3) 同じ行為を複数の演奏で使わないこと。(4) 演奏者は自分が置かれている状況に無頓着であること。ケージは、このタイトルが『0分00秒』の他に、『0フィート00インチ』とも読めると気づき、人間が時間や空間ではなく時空連続体に生きているという洞察を得た。無響室の体験で沈黙が存在しないことを知ったように、人間には無活動の状態がなく、時間の計測は重要ではないとも考えた。
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