0分00秒とは? わかりやすく解説

0分00秒

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/04 06:19 UTC 版)

0分00秒(れいふんれいびょう、0'00")は、ジョン・ケージ[1]1962年に発表した作品で[2]、初演は東京草月ホールでケージ自身により行われた。

内容

楽譜言葉のみによる指示書の体裁をとっている。

音楽・音声外部リンク
0分00秒 - チューバ演奏(YouTube)。

標題の下には「独奏として誰が何をしてもよい」という旨の記載がある。しかしこの点については誤解が生じやすいので注意を要する。演奏者は「ある習熟した行為」を行うが、それは例えば字を書く、歯を磨くタバコを吸う、というような0秒でできるような日常的な行為を指している[3]。またこの作品を次に演奏する際は、すでに行ったことのある行為を採用してはならない。音楽的あるいは演劇的身振りを避け、聴衆を電子的な状況に注目させるような小細工もしてはならない。

楽譜の末尾にはこの作品が4分33秒(第二番)でありAtlas Eclipticalisを第一部とする作品群の第三部にあたると記されている[3]

演奏

初演会場である草月ホール

ケージは初演の際に、自身の眼鏡万年筆、また灰皿などにコンタクトピックアップを装着し、タバコを吸ったり水を飲んだりしながら、この0分00秒の楽譜を書いた。そのなにげない行為に伴う微かな音は、電気的に増幅され大音響となって会場を満たした。

1990年代のドイツのデッテンハウゼンの演奏では、題名に忠実に指揮者つきの室内オーケストラで何も演奏しないで本当に0分00秒で終わった例があり、その後聴衆の要求によってアンコールとしてその後「なんらか」の演奏を数分間行った記録がある。もしこれが事実だとすれば、その解釈は誠意を欠いた完全な誤りといえるが、題名の意味を強調するには効果的なやりかたである。

出版等

0'00" No.2 [4'33" No.3]」(1968) は、楽譜出版社C.F.Petersのカタログに記載されていないことから未出版と誤解されるがSong Booksに含まれるかたちで出版されている。少なくとも2人以上のゲーム・プレーヤーチェスドミノスクラブルブリッジ等)とコンタクトマイク、アンプスピーカーのための作品で、ゲーム中のカードや駒が立てる音を会場内に増幅させ響かせるというものである。

ケージとマルセル・デュシャンによるチェスの試合を中心とした約5時間に渡るインターメディア・イベントReunionと混同されることが多いようだが、別の作品である。

脚注

ジョン・ケージ(1988年)

参考文献

関連項目





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